お茶会 ページ8
翌朝、私は指示された通りに書類を持って本部に来ていた。
あわよくばマルクスくんに渡して何とかならないかと算段していたのだが全部無駄になりました。
「なんでこんな所に居るんですか。」
「おはよう、Aくんを待ってたんだよ。」
舌打ちしたい気持ちをぐっと堪えて爽やかに笑う魔法帝を見上げる。
ここは本部への入り口。
何ならまだ外である。
どうして朝とはいえ仕事で忙しいはずの魔法帝がこんな所でのんびり私を待ち構えているのか。
「どうせならマルクスくんが良かった…。」
「Aくん？聞こえてるよ？」
「あ、おはようございます魔法帝。」
「いや、うん…おはよう…。」
しょぼん顔が思いの外可愛かったから何だかどうでもよくなった。
42歳のしょぼん顔。語感がやばいな。
まぁきっと避けようとした所で無理な話だったので諦めることにしよう。
「一緒に朝のティータイムはどうかな？甘いお菓子も用意してあるよ。」
「ご一緒させて頂きます！」
考えるより先に返事が出ていた。
いやだってここのお菓子、いいとこのばかりで美味しいんだよ…。
魔法帝のお相手も書類処理も、大体その話題を出されると結局飛びついてしまう。
「さ、いつものテラスに用意してあるからね。」
あ。やっぱり確信犯だった。
薄々気付いてたけど。
そして途中であったマルクスくんに書類を投げてた。
やっぱりそれはマルクスくんでいいのか…。
テラスへ着くとすぐにお茶と軽食、お菓子が運ばれてくる。
「さてと、それから進捗はあったかい？」
「魔法帝は千里眼が使えるんですか？それともマルクスくんみたいに心が読める？魔道具？」
「マルクスくんのは記憶だよ。…その反応は何か面白いことがあったね？」
魔法帝、おめめキラキラしてますよ。
なんでこの人は私の周辺環境を聞きたがるんだ…。
「正式な発表はまだですが、この度ノゼルさんと婚約する運びとなりました。」
「…そんな大事な事をサンドイッチ頬張りながら言う所がAくんらしいよね…。」
「これ、美味しいですね。」
それから暫くの間、また昨日と同じように婚約を受ける事になった一連の流れを話したり質問されたりしていた。
紅茶も3杯目くらいになり、そろそろ帰りたいなと思った頃に魔法帝はこう言った。
「これからでもノゼルと、素敵な恋が出来たらいいね。」
「恋？」
考えもしていなかった単語に、凄まじく戸惑った。
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緋毬(プロフ) - メリアさん» 普段は隙が無さ過ぎて見れなさそうですもんね！興味深すぎます（笑 (2019年4月19日 23時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 前髪解いたらどんなノゼル兄様になるのか見てみたいですね！ (2019年4月19日 23時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - モンキッキーさん» いつもありがとうございます♪私もドキドキしながら作ってるので、これからも一緒にドキドキしてください(´∀｀*) (2019年4月14日 23時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
モンキッキー(プロフ) - とても面白いです！読むたびにドキドキさせられます！これからも更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2019年4月14日 23時) (レス) id: c0ef88c023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月14日 22時
