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『恋』
特定の相手を大切に思う感情。
大丈夫、それは知ってる。
しかし生まれてこの
何となくこうなんだろうな、というのはわかる。
こう…食べたことのない物の味が未知であるように、私にとっての『恋』もそんな感覚だ。
「おーい、Aくん？」
「あ、自分の世界に行ってました。」
「だろうね。」
「恋って…何なんでしょうね…。」
「突然の哲学。」
魔法帝は苦笑いを浮かべながら、うーん…そうだなぁ…等と呟いている。
「例えば、胸が高鳴ってどうにも止まらないことがあったり。」
「新作のスイーツを見た時ですかね。」
「ある人の傍にずっと居たいと思ったり。」
「…フエゴレオン団長？」
「その人の為に尽くしたいと思ったり。」
「フエゴレオン団長？」
「…大切に思ったり。」
「あれ、私団長に恋してたのかな？」
よく分からなくなってきた、と首をひねると隣で魔法帝が頭を抱える。
…どうやら違ったみたいだ。
そうだよね、尊敬はしているけれども恋って感じでは無い気がする。
多分。
「うーん、前途多難だなぁ。」
「私もそう思います。果たして自分にそんな感情が存在するのかどうかすら怪しいですよね。」
「それくらいは希望持とう！？」
「いっそ諦めるのも手だと思いますよ。」
「悟ってるというか冷めてるというか…。Aくんだってお年頃だろうに。」
そうは言われても。
というか仮にノゼルさんに恋をしたとして。
それは果たしていい事かというと…どうなんだろうか。
「煩わしくなさそうな相手という意味で私を選んだのだったら、私が恋なんてしたらノゼルさん困惑しそうじゃないですか？」
「んんん…。そ、それはないんじゃないかなー？」
何故目を逸らすんですか魔法帝。
焼き菓子の最後のひと欠けを食し、紅茶を飲み干す。
結局の所、起こるべくして起こらない限り『恋』なんて縁遠い話だ。
私の『好き』はまだ一定値を超えた事はない。
その最たるは、尊敬している我が団長。
「…まぁ、参考程度に考えておきます。」
王族相手に『恋』なんて、永遠の片想い確定案件だけれど。
国を思い国のために動き、何でも持っている何でも得られる力のある彼ら。
一体誰がいち平凡貴族を相手にするというのだろうか。
敬愛すべき、尊重すべき存在。
そこに恋が芽生えることなんて果たしてあるのだろうか。
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緋毬(プロフ) - メリアさん» 普段は隙が無さ過ぎて見れなさそうですもんね！興味深すぎます（笑 (2019年4月19日 23時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 前髪解いたらどんなノゼル兄様になるのか見てみたいですね！ (2019年4月19日 23時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - モンキッキーさん» いつもありがとうございます♪私もドキドキしながら作ってるので、これからも一緒にドキドキしてください(´∀｀*) (2019年4月14日 23時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
モンキッキー(プロフ) - とても面白いです！読むたびにドキドキさせられます！これからも更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2019年4月14日 23時) (レス) id: c0ef88c023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月14日 22時
