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そうして指導を賜ってる訳だけれども…。
「背筋を伸ばして顎を引いて、バランスを…そうじゃないわ、駄目よ。」
歩くのが難易度高すぎます。
え、王族ってこんな難易度高い歩き方してるの？
「ほらまた。顔を上げて胸を張る、それだと歩くラインがフラフラするでしょう？」
姿勢を気にするとまっすぐ歩けない。
真っ直ぐを意識すると足元に集中してしまって姿勢が保てない。
ついにはネブラ様に溜息を吐かせてしまった。
「駄目ね。このままじゃとても3日では矯正出来ないわ。歩くことは全ての基本動作。これさえ身に付けば後はおまけみたいなものなんだけれど…。」
「…申し訳ございません…。」
口元に手をやり、何かを考えるネブラ様。
その間も何とか形にしようと姿勢を正す。
背筋を伸ばし、胸を張る。顔を上げて顎は引く。
その姿勢のまま真っ直ぐ…。
「うわ、わわっ…！」
ドレスに見立てて着ている長い裾に脚が絡まって転びそうになる。
そう、目下の問題はこれだ。この長い裾。
裾を捌いて歩くのは出来たのだが、姿勢を維持しながらだととても脚周りにまで気を配れない。
お上品に裾を捌きつつ完璧な姿勢で、一直線上に歩く。
「…庭に出ましょうか。」
私が裾と格闘していると、ふいにネブラ様がそう言った。
邸内を裾を捌きつつ“真っ直ぐ”を意識して歩く。
時々転けそうになりながらも庭に出れば、そこは広い芝生の平地だった。
「目を閉じて姿勢だけを意識して“真っ直ぐ”歩いてみなさい。」
「はい。」
言われた通りに目を閉じて姿勢だけに集中して“真っ直ぐ”歩く。
つい、ついと脚を前に出し、ゆっくりと歩く。
姿勢は今の所維持出来ている。
「止まって、目を開けて振り返ってご覧なさい。」
そう言われて振り返れば、左右に振れた白い筋。
その筋はフワフワと漂いながら、それでもその位置を示し続ける。
「私の霧であなたの歩いた跡を辿ってみたの。」
「…わかりやすくブレブレですね…。」
のたのたと、カタツムリがのたくったような道筋。
姿勢を維持しつつこの痕跡が直線を描けるような歩き方が身に付いて初めて「できた」と言えるのだろう。
「そうね…時間もあまり無いことだし、少し荒療治になるけれど…。」
ネブラ様が魔導書を取り出す。
一体何が始まるのかと身構えていたら、次の瞬間私は霧に包まれて…。
「え！？」
足の幅ほどの真っ直ぐ続く崖に立っていた。
左右は谷。すぐ後ろも谷。
ここは一体ドコですか。
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緋毬(プロフ) - メリアさん» 普段は隙が無さ過ぎて見れなさそうですもんね！興味深すぎます（笑 (2019年4月19日 23時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 前髪解いたらどんなノゼル兄様になるのか見てみたいですね！ (2019年4月19日 23時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - モンキッキーさん» いつもありがとうございます♪私もドキドキしながら作ってるので、これからも一緒にドキドキしてください(´∀｀*) (2019年4月14日 23時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
モンキッキー(プロフ) - とても面白いです！読むたびにドキドキさせられます！これからも更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2019年4月14日 23時) (レス) id: c0ef88c023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月14日 22時
