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「……それだけ、か？」
ようやく言葉を発したノゼルは、不可解だとでも言うように眉を
その問いには、一体どんな思いが込められているのかAは気付いていない。
「婚約話の撤回を、求められると思っていたのだが…。」
「…そう、してもらいたいとは思っていたんですが私から言える話ではないので…。」
前回の、成り行きでの結婚話とは違う。
あの時はノゼルさんの意思もそこまで無かった。
お互いの親同士が
だが今度の婚約の件は違う。
一度本人を前にお断りしている以上、この話になったのにはノゼルさんの意思が介入している。
それを根っから拒否することは
「前回も言ったが、無理に話を進める気はない。おまえは結婚をまだ考えられないと言い、突然結婚ともなると早急すぎると父上にもそう話した。」
「はい。」
「だが、Aを迎えるという点においてはゆくゆく考えていくつもりだ。それもあって婚約という話になった。」
「……はい。」
やはり、そうなるのか。
重たい現実が肩にのしかかり、潰れてしまいそうな感覚になる。
外はすっかり厚い雲が空を覆い、室内も明かりが点けられた。
「先程の話だが…本来なら私の婚約者という名目で銀翼に入団させようと思っていた。恐らく、フエゴレオンから話は聞いているだろう。」
「はい。」
「だが、Aが留まりたいと強く希望するならば、そうするがいい。」
「…え！？」
あっさりと私の希望を聞いてくれる事に、驚きが先立つ。
もっとややこしい話になると思っていた。
私だけでは解決できない話かもしれないと、そう思っていた。
それがこうもあっさりと認められる事が不思議で仕方ない。
「婚約の撤回ではないならば、好きにするといい。ある程度は干渉もするが、色々なものに縛られるのが嫌だというのならしたいようにするといい。」
「え…あの…王族らしく、とかは…。」
「その後の話についてはまた別問題だ。今はな。」
今は、ただ。
好きなようにしていいと。
「希望があるならば極力叶えよう。不安があるなら全て話せ。不満が出てきたら都度対処する。」
だからこの話を受けてくれと、言葉にせずにそう告げられた気がした。
私が思っていた何倍も暖かい、こんな話があるだろうか。
「ありがとう、ございます。」
そこまで言ってくれるのに何の不満があろうか。
「謹んで、お受けいたします。」
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緋毬(プロフ) - メリアさん» 普段は隙が無さ過ぎて見れなさそうですもんね！興味深すぎます（笑 (2019年4月19日 23時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 前髪解いたらどんなノゼル兄様になるのか見てみたいですね！ (2019年4月19日 23時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - モンキッキーさん» いつもありがとうございます♪私もドキドキしながら作ってるので、これからも一緒にドキドキしてください(´∀｀*) (2019年4月14日 23時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
モンキッキー(プロフ) - とても面白いです！読むたびにドキドキさせられます！これからも更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2019年4月14日 23時) (レス) id: c0ef88c023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月14日 22時
