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獅子王の憂い ページ9

彼女が去り、執務室には私とレオのみとなり静寂が訪れた。
レオは拗ねたように机に項垂れて膨れ面をしている。


「レオ、私は仕事に戻るが。」

「兄上は…Aが他の男に取られてしまってもいいんですか。」

「レオ…聞いたであろう。彼女は結婚する気は無いし想い人もおらんらしい。」

「だから諦めるというのですか。」


膨れ面のレオはまだまだ子供のようだが案外勘は鋭いらしい。
男の第六感と言おうか、レオの場合は姉譲りの野生の勘とも言えるかもしれないが。


「俺は、Aも好きだけど兄上も好きなので2人がまとまれば諦めがつくんです…でも他の男は嫌だ。兄上しか嫌だ。」

「ハァ……。困らせてくれるな、レオ。」


納得いかないと言うように、レオは私から顔を背けた。
その様子に、今朝の魔法帝との会話を思い出す。









「ーー報告は以上です。」

「うん、ありがとう。今後も宜しくね。」

「はっ!」

「ところで…時々連れてる彼女、何といったかな?氷魔法の回復の子。」

「? Aの事でしょうか?」

「そうそう!Aちゃん!今日は連れてきてないんだね。」

「彼女は長期の任務を無事に終えてくれたので数日の休暇を取らせました。…彼女が何か?」


質問の意図が読めず、思わず問うてしまう。
特に何か問題があったようには感じなかったが…
対して魔法帝はいつもの笑みを返すばかりで、思惑が図りかねる。
じっとそのまま視線を逸らさずに居れば魔法帝はゆっくりと言葉を紡いだ。


「いやぁ、実は面白い話を耳にしてね。Aちゃん近々結婚するんだって?おめでたいね!」

「は……?」

「おや、知らなかったのかい?となると相手は君じゃないのか。」

「………私では、ありません。」


全く寝耳に水の話だ。
故につい反応が遅れてしまう。


「そうなのか、君が珍しく傍に付けてたから僕はてっきり君が相手なのかと…。となると、誰なんだろうね?」


うーん、気になるなぁ。
そう言う魔法帝の言葉がどこか遠くに感じられる。

Aが結婚?相手は一体誰だ。今までそういう相手が居るような素振りは一度も…。
いや、無闇にプライベートに踏み込む訳にはいかぬと思い接していたせいで気付けなかっただけだろうか。


「先、越されちゃった感じかな?」

「…何の事でしょう。報告は終わったのでこれで失礼します。」

「うん。頑張ってね。」


ふふふ、と全てを見透かしているかのように魔法帝は笑っていた。

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緋毬(プロフ) - まゆさん» 感想ありがとうございます!今の所いい勝負なのでまだどっちに転ぶかわかりませんね…(笑)私も書いてて楽しいです(*´艸`*) (2019年4月7日 17時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - はじめまして!私はフエゴレオン様が大好きなので、ぜひそっちとまとまって欲しいです。あぁ……でも嫉妬するフエゴレオン様も見てみたい……(///∇///)ゞ (2019年4月7日 14時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございますヾ(*´∇`*)ノ頑張ります! (2019年4月4日 17時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
ジャンプ - 面白かったよ (2019年4月4日 16時) (レス) id: ea5f79410c (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございます、今の所いい具合に進められているので、頑張って走ります(*`・ω・)ゞ (2019年4月4日 9時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緋毬 | 作成日時:2019年3月31日 23時

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