第0章 1話 ページ3
髪を撫で揺らす風に起こされた私は、暫くの間辺りを見回して呆然と座り込むことしか出来なかった。
青く澄みきった空。
その真ん中に浮かぶ、今まで見たこともない程に大きい三日月。
目の前に広がる景色はどれも初めて見るものばかりで、私を混乱させた。
何より今自分を1番混乱させているのは自分のいる場所だ。
高さ15mはあるだろう木の太枝に引っかかるように寝ていたことだ。
私は繋ぎ桜の木の下にいたはずだ。それがどうしてそれがどうして知らない所の木の上に移動しているのだろうか。
一先ず私は、落ち着こうと、深呼吸を何度かした。
しかしどうやって自分がここに来たのかは分からなかった。
ただ、今までに見た事のない程の大きな三日月から、少なくとも自分の世界でないことは推測できた。だがそれを調べようにも、まずは下に降りるのが先決である。
しかしながら、自分自身、こんな高い木に登ったことなどあるはずもなく、どう降りればいいかなんて分からなかった。
どうするべきか分からず1人あたふたしていると下の茂みが揺れる音がして、
?「おーい。」
と誰かが声を掛けてきた。
?「そんな所で何やってんだ?」
声のする下を恐る恐る覗き込んでみると、5人の人影が確認できた。その全員がこちらを見上げている。
?「なんなんだ。あの女。どうして木の上なんかいるんだ?」
?「ふむ。あんな所まで登るとは、中々根性のあるやつだ。」
木の下にいた人達は鎧を着ていて、頭には獣耳、腰には尻尾という、少し変わった容姿をしていて、思わず疑視してしまった。
その視線に気づいたのか。そのうちの一人がまた声を掛けてきた。
?「おい。どうした?ボケーっとしてるけど、俺らの顔に何かついてるか?」
見過ぎてしまっていた恥ずかしさに声が出せず、代わりに大きく首を左右に振った。
と、その時、5人から少し離れた茂みから殺気を感じ、咄嗟にそちらを睨み見る。
下の5人も気付いたのか表情が引き締まった。
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桜夏幹(プロフ) - 顔がほっこり和みました。あぁ、信玄さん、優しいなぁって文字だけで丸わかりキラン! (7月5日 2時) (レス) id: 3d710f5422 (このIDを非表示/違反報告)
星空ネーム(プロフ) - 名無しさんさん» ありがとうございます!そう言って貰えると嬉しいです!本編となるべく沿って書くつもりです!ですが、昌景との絡みも今模索中なので楽しみにしててくれると嬉しいです!リクエストありがとうございます┏● (2018年10月8日 17時) (レス) id: 6e8006e895 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん - とても面白い作品ですね!これからも更新頑張ってください!応援しています!!あとですね、本編では昌景との絡みを多くしてもらいたいです!!(ただ単に自分の推しだからという勝手な理由ですが)できるのでしたらお願いします!! (2018年10月8日 15時) (レス) id: fd12d3a52b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星空ネーム | 作成日時:2018年10月6日 17時