episode47 ページ48
近「──ってな訳だ」
近藤の話が終ると、今まで必死に笑いを耐えてきた隊士達はついに限界を迎え、大声をあげて笑い始めた。
隊「いやぁー緊張して来てる人に、いきなり怒鳴るとか」
隊「副長の印象悪すぎるッ……ブッハハハ!」
土「るせぇ!」
隊「副長、今と変わらなさすぎる」
隊「姉さんも大変でしたね」
誰もが涙を必死に拭いている。
そこまで笑わなくても。まぁ、大変なのには変わりはなかったが。
あ「そりゃぁ、もう。最初の頃なんか怖かったですからね。今だから言いますけど、もう鬼でしたもん」
隊「目つきがですか?それとも雰囲気?」
あ「そうですね……両方です」
そう答えれば再び周りはさらに爆笑した。それに居たたまれなくなった土方は大声を上げた。
土「うるせぇって言ってんだよ!切腹したくなきゃとっとと仕事に戻りやがれ!」
総「そんなんだから笑われるんでィ。もっと心を広くしたらどうですかィ?」
土「お前に言われる筋合いはねぇ!」
近「まぁまぁトシ、落ち着けって」
隊「そうだぞ土方ァ〜」
総「落ち着け土方ァ〜」
土「誰だ今呼び捨てにした奴!るせぇって言ってんだよ!だいたい、なんで俺だけに集中砲火なんだよ!」
あ「面白いからですよ」
土「お前もかよ!」
あ「こういうことは出来るときにしておかないと。最後までやられっぱなしは嫌ですもん」
近「ん?最後?とっつぁんに何か言われたのか?」
あ「あっいえ、言葉のあやです。めったに土方さんをからかえませんから」
総「そんなことねぇですよ。なんなら、俺と一緒にやりましょうよ。姉さんならいつでも歓迎ですぜ」
あ「良いね!楽しそう」
土「させねぇからな!?」
久しぶりに全員揃っての和やかな雰囲気。
新選組の誰もがこの先もこうして続いていくと思っていた。
Aが、心に憎しみを抱いているとも知らずに。
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作者名:暇人の甘党 | 作成日時:2016年3月16日 16時