episode13 ページ14
スポーンッという効果音がつくくらい勢いよく頭を取るその着ぐるみ。中からは黒色の長髪の男が現れた。
銀「……何でお前がここに居るんだよ、ヅラ」
桂「ヅラじゃない、桂だ!!」
神「うるさいネ、ヅラ」
桂「リーダー!俺はヅラじゃない!かつ……」
新「しつこいわ!!」
あ「あの、桂ってもしかして……」
その一言に万事屋はしまったと顔をひきつらせている。
仕方なしに桂と関わりを持ってきた万事屋。そのせいで桂が急に現れても耐性が付いてしまっている。その為、驚くよりもむしろ面倒だと思う気持ちが大きいのだ。
慌てて誤魔化そうとする万事屋だが、一度ボロを出してしまった以上、誤魔化すのは難しい……というか、それ以前に桂は目の前で堂々と頭の被り物を外しているのだ。手遅れだろう。
あ「やっぱり狂乱の貴公子、桂小太郎さんですね?」
桂「いやはや、ここまで俺の名が知られていようとは」
あ「そりゃもう有名ですから」
桂「そんなにか!ならばきちんと自己紹介をしよう!」
新「止めといた方がいいですよ」
桂「何を言う。こんな素敵な女姓がいるのに挨拶をしないのはバカ同然だぞ!」
銀「バカはお前なんだよ!」
神「もう知らないアル、こんなバカ」
桂「知っての通り、俺の名は桂小太郎だ。江戸幕府を潰し、新しい世に変えるため日々精進している」
あ「私はAです。新選組の副長補佐をしております」
桂「ほう、新選組のか!……えっ、新選組?」
あ「はい」
桂「は……ははは!A殿、なかなか面白い冗談ではないか。だか知らんのか?新選組は女員禁制だ」
あ「色々ありましてね。働かせてもらってるんです」
いざという時の為に持ち歩いている手錠を桂の腕にかける。
桂「えっ、マジで?本当に!?」
銀「人の忠告を聞かねぇからそうなるんだよ。つーか、コイツが来て一年は経つぞ?何で知らねぇんだよ」
桂「どうせ話題作りだと思って……」
新「何で敵の情報を知らないんですか」
神「自業自得ネ」
あ「桂さん、逮捕です」
そう言ってニッコリと微笑む私とは正反対に桂はダラダラと汗を流し、焦っていることは一目瞭然だ。
桂「ま、待て!取り引きしようではないか。俺の持ってるとっておきの情報をやろう!だから外してくれ」
あ「それはできません。攘夷志士と取り引きしたら切腹ですもん」
銀「残念だったな、ヅラ」
神「お前のことは忘れないアル」
桂「待て!俺なら脅威から新選組を救えるかもしれんぞ!?」
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作者名:暇人の甘党 | 作成日時:2016年3月16日 16時