都市伝説系歌い手５。【歌い手】

｛１９６｝side：鈴村 ページ3

わんこちゃんがネコちゃんと出かけてすぐ後、俺がリビングに向かってる途中でわんこちゃんの部屋の前でイヤフォンつけてスマホの画面を見ながらうろついてるヒラが居った。


･･･あいつ、確か山形でもなんかしとったよな。




鈴村「ヒラ」

平川「･･･、･･･？
ああ･･･スズ」

鈴村「お前、何しとん？
山形でもわんこちゃんの本家でなんやスマホいじってたやん」

平川「･･･ちょっと、ね」




そう言って、何かに反応するように右耳のイヤフォンに手を添える。
･･･なんか聞いとるんか？
ちらっと見えるスマホの画面･･･なんや心電図みたいのんが何個か表示されとる。


あれって確か･･･盗聴系のアプリやなかったか？
声優とか歌手やっとる職業上、それ対策のアプリをインストールしとるんはおかしくはないけど･･･。
･･･なんで、そんなアプリをわんこちゃんに関連した周辺だけで開いとるん。




鈴村「ちょっとて･･･。
ヒラ、お前なんか隠しとらんか？ううん、隠しとるやろ」

平川「･･･スズ、それより聞きたいんだけどAちゃんの今日着てった服装･･･灰色と水色っぽいパーカーだったりする？」

鈴村「それよりて･･･！」


ガチャ


志麻「あー肩凝った･･･っと･･･あれ、鈴村さんに平川さん。
なんかあったんですか？」

平川「ああ、志麻くん。
今日のAちゃんの服装とか知ってる？」

志麻「え？
あー･･･確か灰色で所々に水色っぽいようなワンポイントがあった気ぃしますけど」

平川「っ･･･！
･･･髪って、茶髪のウィッグとかつけてない･･･よね？」

志麻「よくわかりましたね、変装だとかでつけてましたわ」




自分の部屋から出て来た志麻くんの情報を聞いて、ヒラの表情から一気に血の気が引く。

･･･え、なんや？




平川「･･････Aちゃんに、連絡して」

鈴村「は？いきなり何言うて･･･」

平川「早く！！」




演技とちゃう。

ヒラが、本気で怒鳴った。
その表情は、明らかに焦っとって。


ヒラに気圧されるように、俺は･･･って。
あ、あかん･･･そう言えばわんこちゃんの連絡先とか知らん･･･！




志麻「え、わんちゃんになんかあったんですか？」

平川「詳しくは後でするから･･･！
誰か･･･誰でもいいから、今すぐAちゃんか眞弥ちゃんか･･･それか新宿駅の近くに居る人に連絡して！！！

Aちゃんが･･･危ない･･･！」

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