1やけど。 ページ1
「それじゃ、よろしゅうね」
「うん、ほっちも頑張っての」
ふんわりとした、やわらかな方言での会話をして2人はお互いに微笑んだ。
一方は白に薄いエメラルドグリーンを基調にした、もう一方は黒に赤を基調とした燕尾服。
白い燕尾服の人物は歩き始めた。
影を潜れば久々の忙しなく行き来するネオンカラーのスポットライトに気持ちが高揚した。
その姿が照明に照らされた瞬間、会場内に歓声が響き渡った。
ダークブラウンに毛先がピンクの男性がステージ後方のDJブースで、テンポのいいリズミカルな音を奏でている。
『さあ、盛り上げていくぞ!』
白燕尾服の人物が、イヤモニから聞こえる声に合わせて口を動かす。
そのタイミングはピッタリで、違和感を感じさせる事無くその場に居たオーディエンスを湧かせていく。
「「わああああああああああああぁぁぁ・・・っっ!!!」」
「luzくーーん!!!」
「luzさーん!!!」
『さあ・・・XYZ東京Final、今日がツアーラストだ。
お前らを至高の夜に連れてってやる。だから、お前らの・・・枯れるくらいの声を聞かせてくれ!』
ステージ手前の
後ろのスクリーンにXYZのロゴが表示されて曲がピタリと止まり、白燕尾服の人物が顔を上げれば舞台袖の左右からそれぞれ衣装に身を包んだ青年達がステージに出てくる。
そしていつものライブ通りに、軽いオープニングが始まる・・・はずだった。
『ちょっとー、僕抜きで盛り上がりすぎなんやけど〜』
唐突に聞こえたその声とともに、今度はステージ中央の奥から黒い燕尾服に身を包んだ青年が出て来た。
途端にザワつく会場内。
ステージ上の出演者も、バンドメンバーも。
観客達も、当事者を除いた全員が驚いたと同時に困惑した。
『え、ちょ・・・え?
luzが増えた・・・?』
『なにこれ、luzすんが2人も居るんだけど!?』
『あれ、もしかしてドッキリ大成功??』
『みたいやね』
イタズラが成功したかのように、燕尾服2人が「いえーい」とハイタッチした。
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ねる。 - めっちゃ面白いですね。続き、楽しみにしています。他の作品も好きなので頑張ってください^ ^ (2020年7月26日 19時) (レス) id: b22c9995f8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらゆら - 面白くなりそう…!楽しみです(●´ω`●) (2020年7月26日 0時) (レス) id: 1fe436b7f8 (このIDを非表示/違反報告)
yuika(プロフ) - 面白そうな予感しかしません!!!応援してます!! (2020年5月7日 15時) (レス) id: 090e0c37e7 (このIDを非表示/違反報告)
星雷 - 続き楽しみです!更新頑張ってくださいね! (2020年4月18日 18時) (レス) id: df80f51a0c (このIDを非表示/違反報告)
- 面白いですね!応援してます!頑張って下さい! (2020年4月18日 11時) (レス) id: 791a99e14f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:369. | 作成日時:2020年4月18日 0時