白い譜面に音符を【歌い手】 (ページ5)

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カバンの中からクリアファイルを取り出して、黛に見せる。

vip「ん？
･･･Ａ３の、１２･･･。
すっげ、初参戦でほぼ真ん前！？」

A「･･････みたい」

vip「いやー、マジか！
凄いくじ運じゃん！」

A「こ、交換しない･･･？」

vip「言うと思ったけどやだ！
だってそのチケ、確かに私のスマホで先行受付したけどアカウントはAのだし」

A「なにそれ･･･！
か、勝手にアカウント作ったの！？」

vip「てへぺろ♪」

かわいく言ってくる黛。
か、かわいい･･･っ()

vip「あ。
そう言えばさっきくじ何枚か開けてたよね。なに当たった？」

A「･･････！」

vip「？」

私は恐る恐る、くじを全部テーブルに置いた。

黛はスマホを見ながら確認している。

vip「えーと、Ａ賞･･･あー、４人の集合絵な。Ｆ、Ｇ、Ｈ、Ｉ･･･おー、アニマル系のやつコンプじゃんww
･･････え、楽屋招待･･･？？」

A「･･･あ、当たっ･･･ちゃった･･･みたい」

vip「･･････マジか！！
え、初参戦で！？初参戦で楽屋招待！？？
すご！うちの妹凄すぎるんですけど！？？」

A「い、言わないで･･･！
黛･･･っ、お願いだから･･･本当、座席交換するか楽屋招待行って･･･！」

vip「はぁﾞんﾞ！？？
なんで！？」

ありえない！ワケワカメ！と言いたげな表情でテーブルをドンッ！と叩く黛。ひぃ。

A「だ、だだだ･･･だって･･･！
こんな、私･･･出演者の事とか知らないも同然だし･･････にわかですらないのに･･･！
当てたいのに、本人達に会いたいのに会えない人とかいっぱい居る訳で･･･私なんかよりも、別の人に･･･！」

vip「えー、だってくじ引いたのAじゃん」

A「そ、う･･･だけど･･･！」

vip「べーつに、楽屋招待って一人だけに当たる訳じゃないしAみたいな悪意の無いライブ参戦者が当たった方が絶対いいと思うよ？」

A「で･･･でもっ」

vip「出演者の全部を知ってる参戦者とか居ないし。
Aがくじを引いて、当てたんだからこの楽屋招待の権利はAにあるよ。だからそんなネガティブになんないのっ」

A「それは･･･」

vip「よーし、じゃあせっかくオケ来たんだし･･･予行練習しよう！
うしさせの曲歌ったげる！！」

A「え･･･」

vip「とりま、合いの手だけでも覚えようぜ！」

ライブ開演まで、あと４時間。