Invisible suffering

30 ページ32

神山side

昔から、人見知りで友達が少なかった

でも1人でいることなんて当たり前やったし、寂しくもなんともなかった


自分の中で「人は人」「自分は自分」がはっきりしてたからやろう


喋ってくれる人はいたし

周りは優しい人が多かった


でも、人の態度やセリフに敏感やから

いつも迷惑かけへんようにってだけ考えて行動していた



父との離婚が原因で引っ越した先の学校でのこと。

ある日、クラスメイトが陰で他のクラスメイトの悪口を言っているところを聞いた

俺には仲良さそうに見えてたのに

そう思ってたんやって思うとゾクッとした



『自分も何か言われてるかも』

その内、そう考えるようになり

より一層、周りに敏感になった


俺が大人しいからか、周りは優しくしてくるけど

それが逆に怖くて仕方なかった



それから人を信用できなくなった


人と喋るのは前以上に苦手になって

言いたいことが頭に浮かんでも喉に言葉が詰まる感じがして声に出せへんし


周りの声や笑い声が、

全部自分の悪口のように感じてしまって

教室で席に座ってるだけでも

耳を塞ぎたくなるくらいやった


だから自分は「悪い子」

みんなに迷惑かけるだけの人やって思うようになって

どんどん自分が嫌いになった


それでも誰かに認めてもらいたくて

生きる意味を見つけたくて


必死に努力した


それでダンスだけは自信を持てる特技やったのに

原因不明の足の痛みに襲われて

上手く踊れへんくて………







そして俺には何もなくなった

31→←29

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す