【呪術廻戦】さよならを告げる【男主】【五条悟】

29.感情 ページ31

Aside

「Aさん、それどこの服よ」

１、２年と手合わせを終え、服を着替えていると野薔薇が声をかけてくる。
指をさす先には俺のいつも着ているパーカー。
クローゼットを漁っていたらたまたま出てきた昔悟からもらった横に黒色のリボンのついた服である。

『あぁ、これは確か悟がくれたやつだよ。』

「ふーん、Aさん私服限定的じゃないですか？いつも五条先生みたいな服着てるし」

『あぁ、実はこの間の大掃除で洋服全部捨てちゃって…』

「はぁ！？Aさん顔が良いんだからもっとおしゃれしないと！一緒に買い物行きましょ」

そう言いながら俺の手を引く野薔薇。

「え〜？なになに楽しそうな話してんじゃん」

「げ、五条先生」

僕も混ぜて〜、と呑気に話に入ってくる悟。

「だめよ！これから"二人"で"デート"に行くんですから」

「ふーん、そっかぁ、楽しんできてね〜」

そのまま悟は俺たちの後ろにいるであろう虎杖にお〜いと声をかけ駆け寄っていく

「Aさん？行きましょう？」

『あぁ、うん、行こうか』

『ごめんね、野薔薇…』

野薔薇は、何も言わないまま俺の手を引いてくれた。
そんな彼女の優しさに少し、ほんとに少しだけど心の底があったかくなった

そんな、気がした。
俺にもいつか、この感情の名前がわかる日が、来るといいな。

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