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17.告白 ページ19

Aside

「おはよう、気分はどうかな?」

少し靄のかかった脳に鞭を売って意識を覚醒させようとする。
だが、見なくてもわかる。
彼は、五条悟だ。たしか、任務先で会って捕まって、気絶させられたんだっけ……?

『…俺を家に返して』

「それは出来ないかな」

まず帰れないでしょ。とヘラヘラとした態度で言う悟。は?どういうことだ?

「気づいてないの?Aの足、折れてるんだよ?」

そう言われ下を向けば包帯も巻かれていない足首は青紫に変色し、腫れている。

「それに、Aの帰る家なんてないよ。」

『……は?』

どういうことだ?帰る場所がない…?
言っている意味が理解できない。
ぐるぐると思考を巡らせていると悟がため息をついたあと経緯を話した。

まぁ、要約すると俺の家を潰しましたはいちゃんちゃん。ってことらしい。

『どうして……、俺の居場所を奪うんだよ…

悟は、俺から奪ってばっかりだな。

親も、愛も、俺の、存在意義も……!』

どんどん口から溢れてくる言葉と、頬を水が伝うのがわかる。
嗚咽混じりの俺の声は震えていて、止まることない涙がぽたりぽたりとたれた。

「ごめんね、A、だけどこうするしかなかった。

Aの正の感情がない理由はね、家の奴らのせいなんだよ……

天与呪縛なんかじゃない。それに、あのまま続けてたらきっと、Aが壊れてた。

口では強がってるけど、本当はすごく辛いし怖かったよね。

もっと早くこうすればよかったね。

もう、大丈夫だよ。」

そういった悟の眼差しはすごく真剣で、眩しかった。
俺は悟を縋り付く様に抱きしめ思い切り声を出して泣いた。
もう泣けなくなるんじゃないかと思うほどに溢れ出した涙は悟の服に吸い込まれていった。

_____________________

あれから数分、だいぶ落ち着いて今は座って目を冷やしてる。

「目、大丈夫そう?」

そう甘ったるい声で聞く悟。そう、俺はずっと悟に甘やかされているのだ。

『あぁ、うん、大丈夫……』

「腫れちゃいそうだね…」

ふんわりと俺の目の下を擦る悟。
優しくされすぎて緩みまくった俺の口。
そして、俺の口からついこぼれ落ちてしまった言葉。

『さとる、すきだよ……』

18.両想い→←16.再会



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2006.yuna.0215@gmail.com(プロフ) - 傑と呪霊くんの話できればめっちゃ見たいです…!話の展開とても面白かったです! これからも応援してます! (2021年4月27日 0時) (レス) id: ef870bb2d1 (このIDを非表示/違反報告)
じんべーざめ - 異端さん» ありがとうございます!もっと更新ペースを上げられよう頑張ります! (2021年4月2日 18時) (レス) id: 9453f9490a (このIDを非表示/違反報告)
異端(プロフ) - 更新いつも楽しみにしています!!頑張ってください! (2021年4月2日 15時) (レス) id: 22d2735c29 (このIDを非表示/違反報告)
じんべーざめ - 雪マカロンさん» ありがとうございます!頑張ります! (2021年3月2日 21時) (レス) id: 303ca42184 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - 面白いです!更新頑張ってください! (2021年3月1日 22時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:じんべーざめ | 作成日時:2021年2月18日 18時

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