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13.認めない ページ15

悟side

Aと喧嘩のようなことをしてから数週間がたった。
あの日のAの瞳が、どうも頭から離れなかった。悲しみにが混ざったような瞳。
あれからAとは会うことすらできていない。高専には来ないし部屋に帰れば居なくなっているし、少しでもいいから俺の話を聞いて欲しい。

そして今Aの事で夜蛾学長と話をしていたところ、学長室の扉が開く。
誰だろうと思い視線を送ると、そこに立っていたのはAだった。
一瞬驚いたように見開かれる大きな瞳は直ぐにゆらゆらと揺れ、僕から視線を外した。

「夜蛾学長、お話があってきました。」

そう言って俺の横をするりと通り抜けAはポケットから白い封筒を出す。
そこには丁寧な字で"退学届"と書かれていた。

『は……?』

つい、間抜けな声が漏れる。

『A、どういうこと?』

退学届を持つAの手首を思い切り握り閉める。パキ、と嫌な音を立てるが気にしない。

『いい加減にしろよ、いつまでそんな子供じみたことやってんだ』

いつもより低い声でAに言う。
腕の痛みなのか、それとも僕が怒っていることに対してなのかAは涙目だった。

「やめて、ください……」

下を向いてAが言葉を放つ。

『やめない、Aが俺から離れるなんて選択肢をとるなら

地下室にでも閉じ込めてもう二度と出られなくしてやろうか…』

思わず本音を口に出す。俺は、Aが好きだったから、だからそんなことを言われるのが嫌だった。
Aを見れば再び大きく見開かれる揺れる瞳は遂に涙をこぼす。

「ごめんね、悟…でも、もう遅いよ……」

Aがそう言うとまもなく学長室にスーツの男が入ってくる。

「A様、御帰宅の準備が整いました。」

さぁ、参りましょう。と付け加えるスーツの男にAはついて行く。
俺が驚きのあまり放心していると、学長室の扉の前でAが振り返る

「今までありがとう、悟。…でももう、戻れないや」

そう笑顔で言うAの頬には涙が流れていて、俺はまた、止めることが出来なかった。

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2006.yuna.0215@gmail.com(プロフ) - 傑と呪霊くんの話できればめっちゃ見たいです…!話の展開とても面白かったです! これからも応援してます! (2021年4月27日 0時) (レス) id: ef870bb2d1 (このIDを非表示/違反報告)
じんべーざめ - 異端さん» ありがとうございます!もっと更新ペースを上げられよう頑張ります! (2021年4月2日 18時) (レス) id: 9453f9490a (このIDを非表示/違反報告)
異端(プロフ) - 更新いつも楽しみにしています!!頑張ってください! (2021年4月2日 15時) (レス) id: 22d2735c29 (このIDを非表示/違反報告)
じんべーざめ - 雪マカロンさん» ありがとうございます!頑張ります! (2021年3月2日 21時) (レス) id: 303ca42184 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - 面白いです!更新頑張ってください! (2021年3月1日 22時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:じんべーざめ | 作成日時:2021年2月18日 18時

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