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「流星は、俺にめちゃくちゃにされたいん?」
頬に指を這わせ、成人とは思えないような可愛らしい顔をなぞる。
むに、とされて顔を顰めるけど、まだほんのり赤い。
「そういうわけやないけど、⋯⋯なんか、がっついてこないから、不安になっちゃって」
布団からにょきりと出てきた手が、俺の頬を仕返しと言わんばかりにふにふにとする。
男が二人、ベッドで頬を弄り合うなんて、不思議な光景。
おまけに何も身に纏ってないんだから、尚更。
「いつもそんなこと思ってたん?」
「いつもじゃないで、たまに」
「そっかぁ⋯⋯」
別に我慢してるわけじゃないし、さっきも言った通り、大好きな流星を前にすると優しくしたい って思ってしまう。
やけど、
もし一晩だけ、何も考えずに目の前の愛しい人を抱いていいよ、
なんてことを囁かれたら、きっと俺は、
「じゃー、もう一発する?」
「へ?」
俺の頬をぺたぺたといじるその細い手首を掴んで、流星の上に乗る。
ぱちくりと大きな目を瞬きさせた後、ふふ、と微笑んだ。
「きて。⋯なーんも考えんで、めちゃくちゃにしてみて」
甘いマシュマロボイスとはこのこと。
そんな声で誘われたら今までの俺の理性というものがガラガラと音を立てて崩れていくに決まってる。
「どうなるか、分からんで?」
「うん、⋯⋯怖い?」
「嫌いに、ならんで、」
「ビビりやなぁ。なるわけないやろ」
首に掛けられた腕で引き寄せられ、ちょっと乾燥した唇が重なる。
何も、考えずに、ただ一つ、
流星が好き
それ以外は真っ白にして、
「愛してる」
そう一言告げて、白いシーツに呑み込まれていった。
終わったあと、幸せそうに眠る顔を見て、少しホッとしてしまったのは、やっぱり俺がちょっとだけビビリやから。
(君は僕の全て、)
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咲希@skrmc(プロフ) - 50話まで書き切りありがとうございました。更新してくださっている間、とても素敵な時間を過ごせたと思います。度々気になっていた最後の「()」。あれは歌詞だったのですね。また恋香さんの小説が作成され、機会があればまた読ませていただきます。 (2022年5月28日 0時) (レス) @page49 id: ede94865a4 (このIDを非表示/違反報告)
rinu - 純愛でした♥ (2022年4月6日 0時) (レス) @page33 id: d47608d8bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋香 | 作成日時:2022年2月15日 16時