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「ずっと⋯ずっと好きやった」
「なん、⋯」
動揺する流星くんを強く抱きしめて、続けた
「流星くんが大吾くんに振られて泣いてところ見て、ずっっと、俺にすればいいのにって⋯思ってた、」
「きょう、へ、」
泣いて入ってきて、アルコール度数の高いお酒を潰れるまで呑んで。
大吾くんの名前を呼んでは泣いて、
「俺は好きやったのに、」そんな言葉を吐いて
何度も思った。
俺にすれば、そんな思いさせないのにって。
「なぁ、流星くん」
「は、い⋯」
「身体、なんかやなくて、ちゃんと俺が愛して、忘れさせてあげる」
少し離れて、白い頬を涙を拭うように撫でた
「やから、⋯もう泣かんとって」
俺がたくさん愛すから
伸びてきた腕が俺の首に絡まり、引き寄せられて、
流星くんは、まるで子供のように声を上げて泣いた。
⋯⋯大丈夫
これで泣くのは最後だから。
これからは、泣かせないよ。
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あれから、流星くんはお酒を少なくするようになった
毎日ウチに来るのは変わらないけど、、
もう、泣かなくなった
代わりに、ほろ酔いぐらいになりながら、俺をにこにこ見つめるようになった。
「⋯ねぇ恭平。ありがとう、ね。」
「何を改まって、」
照れくさそうに笑って、お礼を言う流星くんは可愛くて、抱きしめたくなってしまう
「あとね⋯⋯」
「ん?」
「好き、やで。」
あぁ、流星くんの顔が赤いのはお酒のせい?
俺の顔が暑いのは、料理をしていたせい?
⋯⋯どちらも、違うか
「俺も、好きやで。」
(しらふの夢の中のような今がいいな、)
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咲希@skrmc(プロフ) - 50話まで書き切りありがとうございました。更新してくださっている間、とても素敵な時間を過ごせたと思います。度々気になっていた最後の「()」。あれは歌詞だったのですね。また恋香さんの小説が作成され、機会があればまた読ませていただきます。 (2022年5月28日 0時) (レス) @page49 id: ede94865a4 (このIDを非表示/違反報告)
rinu - 純愛でした♥ (2022年4月6日 0時) (レス) @page33 id: d47608d8bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋香 | 作成日時:2022年2月15日 16時