ns milk ページ3
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、よし
今日も鏡で笑顔の練習をしてから大好きな人のもとへと向かう
上手く笑わんと落ち込むのは俺自身
「大ちゃん」
「おはよ、流星」
「おはよ」
大ちゃんが可愛いって思ってくれるように、にこって笑って挨拶をする
大ちゃんはまだメイク前で髪が少し跳ねていた
いつもと変わらないように大ちゃんの乱れた髪に触れようと近づくと、腕を掴まれて唇にあたたかいものが当たった
「、」
⋯え、俺いまキスされた?ふざけてチューしてこようとすることはよくあったけど唇にされたのは初めて
「だいちゃん、」
そう呼ぶと大ちゃんは困った顔でごめん、と言って離れようとした
このままじゃいけない気がして震える手に動いてって頭の中でお願いして、大ちゃんの服を掴んだ
「、だいちゃん」
唇も震えて名前を呼ぶことしか出来なくて、泣きたくないのに視界が滲んでいく
「流星、ごめん」
大ちゃんははっきり俺に謝罪の言葉を言った。
「ちが、」
違う、謝って欲しいわけじゃなくて嫌やったわけやなくてそれを言わなきゃいけないのにぽろぽろ涙が出てきて唇が震えて上手く言葉に出来ない
震える体を起こして、大ちゃんの服をかたかた震える手で握ってぴったりくっついて大ちゃんの唇に自分の唇をおしあてた
「え、」
「だい、ちゃぁ、すき、すきなの⋯⋯」
あぁ、絶対今の俺ブサイク
大ちゃんの前で可愛く笑えるように今まで頑張ってきたのに想いを伝える瞬間涙でぐしょぐしょだなんて
「ほんま、?」
大ちゃんが俺の顔の涙を拭いながら見つめてくる
「ほんと、すきなの、だいちゃ、んは⋯⋯?」
「すき、大好き」
真っ直ぐ目を見てそう伝えてくれる
「ふふ、」
幸せで笑うと
「あぁ、もう流星が可愛いから」
って大ちゃんの視線が俺の目から唇に変わって、またキスをされた
もっと心躍る世界がすぐ隣にあったとしても、
乱れたあなたの髪に触れられるこの世界がいい
雪もミルクも霞む静かでスロウな真っ白い光に、
(一緒になりたい)
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咲希@skrmc(プロフ) - 50話まで書き切りありがとうございました。更新してくださっている間、とても素敵な時間を過ごせたと思います。度々気になっていた最後の「()」。あれは歌詞だったのですね。また恋香さんの小説が作成され、機会があればまた読ませていただきます。 (2022年5月28日 0時) (レス) @page49 id: ede94865a4 (このIDを非表示/違反報告)
rinu - 純愛でした♥ (2022年4月6日 0時) (レス) @page33 id: d47608d8bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋香 | 作成日時:2022年2月15日 16時