【HQ】全部盗んでやるよ【第三体育館組】

story６ ページ7

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「―――るんだ!!


なんでこんな物も出来ない!!」

「ごめんなさいっ！

ごめんなさい、お父様っ!!」


「櫻木家の長女ともあろう奴が、こんなんで言い訳が無いだろう!!」


「ごめんなさ…い…」


父は私が櫻木家に相応しく無いと、何度も言った


正直、相応しく無くても良かった



昔から、櫻木家の娘

と言うだけで、周りの人達は私を腫れ物のように扱った



だから、友達なんて出来なかった


いじめとかは、皆、櫻木家を怖がってしなかったけど



学校に行っても、友達とだって話さない

先生は、たまに話しかけてくれた


家では、毎日のように父に叱られた


その後は部屋に入れられひたすら勉強やら何やら


それの繰り返し





高校になっても、それは変わらなかった


変わった事と言えば、父が怒らなくなった事

良い高校はいって、成績も常に一番を取ってたから




父が怒らなくなった事により、私はいよいよ誰とも口を聞かなくなった


お手伝いさんが話しかけてくれても、少し相づちを打つ程度



そのまま時は流れた


高校二年の冬


母が死んだ




父は、地位を守るため、私を育てた
そうは言っても、立派な人だとは思う



それでも、母は違った

私をちゃんと見てくれていた

優しい人だった



母が死んだ時は

あの父でさえ、涙を流していた





それ以来、私は突然声が出なくなった

出し方が分からなくなった




それでも、あまり不便は無かった


今までも話して居なかったから


周りは誰も


私が話せなくなった事に気付かなかった




…誰か…



誰か気付いてよっ…!!



誰かっ……



お願いっ……


私を…見てよ…っ…―――--------

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