赤一点 ページ2
「海を渡ってきた、ということはジムバッジを5つ集めたんだね」
隣の岩に腰を降ろし、視線を向けてくる兄に「まぁ……」と曖昧に頷くレイラ。
彼女の膝の上におさまるトゲチックの姿を一瞥し、ダイゴは薄い笑みを浮かべた。
「元気そうでよかった」
それには何も答えることもなく、レイラはうつ向きがちに海を見つめながらパートナーを抱く力を強める。
いつになく大人しいマスターを心配に思ったのか、彼女を見上げたりダイゴへ視線を向けたりと忙しいトゲチック。
そんな彼を前に波の音だけが奏でられると思われた、が
「なぁ、」
と言うレイラの呟きで会話が再開される。
「アンタはなんで……アタシに関わってくんの……？」
決して自身の方を向くことはなく、乾いた唇をゆっくりと動かす彼女にダイゴはいかにも楽しそうに口を開いた。
「君が色々と面白そうだから」
「……そう」
何とも言えないままに軽く視線を上げ、絵に描いたような雲を浮かべた青を見上げる。
と、
その中に1つだけ赤が混ざっているのをレイラの瞳が捉える。
徐々にこちらへ迫ってくるミサイルのような速さのそれは、2人の眼前で急停止。
思わず後ろに退けぞりそうになりながら流石のレイラも目を見開いた。
「ポ……ケモン……？」
「まさか……ラティアス、か」
やっとのことで声を絞り出した彼女の隣では、同じく驚きを隠すこともしないダイゴが腰を上げた。
ラティアス、と呼ばれたそのポケモンはひどく焦ったように澄んだ金色の瞳を揺らしている。
その様子はどうやら助けを求めているようで、トゲチックをボールに戻したレイラも靴を履き直して立ち上がる。
「何を……すればいい……？」
言うが早いか、ラティアスはその場で2人に背を向けて高度を下げる。
「乗った方が良さそうだね」
小さく頷いたレイラはダイゴに続いてラティアスの背に跨がる。
「掴まらないと危ないよ」
チラリと自身を振り向く兄に若干の抵抗を示しながら、ノロノロと彼女が腰に腕をまわして掴まった瞬間、
ラティアスは空を切る弾丸のように空へと飛び出した。
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CrazyBook(プロフ) - 麗音さん» コメントありがとうございます！お返事がすごく遅くなりました……。「更新してたらラッキー！」くらいの気持ちで気長にお付き合いください！ (2020年12月23日 22時) (
レス) id: 8c59f4ad06 (このIDを非表示/違反報告)
麗音 - 初コメ失礼します！面白くて一気に読んじゃいました！更新ゆっくりで良いので頑張ってください！ (2020年8月13日 14時) (レス) id: 5c11d46da4 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - ＊rooさん» 返信が遅くなってしまい、ごめんなさい。隙あらば小説を書くので気長にお付き合いくださいね！＊rooさんもお身体に気を付けてくださいね。 (2020年7月24日 8時) (レス) id: 89127ffd6d (このIDを非表示/違反報告)
＊roo - おおっ！久し振りに投稿ｷﾀ━(ﾟ∀ﾟ)━!健康に気を付けて下さいね！！！(唐突) (2020年4月14日 23時) (レス) id: f778e9ffde (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - あるりかさん» コメントありがとうございます！あるりかさんも身体に気を付けてお過ごしください。私はできるだけ更新を頑張ろうと思います！ (2020年4月13日 22時) (レス) id: 8c59f4ad06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2019年9月5日 0時
