バトルスタイル ページ45
「……“鋼の翼”」
重力をも味方に付け、相手をフィールドへ叩き付けようとグライガーが翼を広げての急降下を見せる。
ただ単に受け身を取るだけだと思われたケッキングは、
「“カウンター”！」
空中にも関わらず器用に身を捻りすれすれで攻撃をかわすと、そのまま素早い平手打ちでグライガーをフィールドへと叩き落とした。
「……補助技……覚えてんのか……」
レイラが思わず舌打ちをするのも無理は無い。
彼女がセンリと授業と称したバトルを行っていた頃、彼のケッキングが覚えていたのは全て攻撃技。
てっきり補助技を使わないバトルスタイルだと思っていたレイラに、この現状は予想外だった。
「成長するのが自分達だけだとは思わない事だ。人とポケモンは何らかの形で常に成長することができる」
どしん、と重げな音をたてて地上へと戻ってきたケッキングは再び横になるような体勢でレイラを見据える。
ふるふると何度か頭を振って自身を奮い立たせるように鳴き声をあげたグライガーは、そんなケッキングへ再び突っ込んでいった。
「高度……とって」
「“なし崩し”」
ケッキングの手が触れる寸前、今度は急上昇を見せたグライガーは宙で一回転をするように相手の背後をめがけて“翼で打つ”を放つ。
弾幕の如く降り注ぐ“岩雪崩”をかわし、壊し、数度目の攻撃をケッキングへと食らわせた。
前のめりになったケッキングはフィールドに倒れることは無く、丸太のような太い腕で体を支えるとグライガーへ向き直る。
そしてかわす間も与えること無く、再びの“岩雪崩”を放った。
流石の超音波を持ってしても回避できなかったそれに退路を阻まれたグライガーは、何やら不穏な構えを見せるケッキングへ“超音波”を放つ。
もろに聞いたそれで多少なりと混乱を招いたケッキングの隙を察し、グライガーが飛び立とうとした瞬間、
彼の体を強烈なパンチが貫いた。
岩諸とも吹き飛ばすその威力に、レイラは動揺が隠しきれない。
「この“気合いパンチ”は溜めが必要な分、非常に高威力の攻撃を放てる技だ」
ケッキングとのタイプ一致が無いのが難点だな、と呟いた彼は挑戦的な目でレイラを見つめる。
「……溜めがあんなら……そこで避ければいい」
レイラの声を合図にしたように、崩れた岩々を撒き散らしながらグライガーが再び翼を広げて宙へ飛び出してきた。
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CrazyBook(プロフ) - コメントありがとうございます！本当に気長にお待ちください。 (2019年8月12日 9時) (
レス) id: 89127ffd6d (このIDを非表示/違反報告)
菜々美 - この作品好きです！ゆっくりでいいので更新頑張ってください。 (2019年7月18日 16時) (レス) id: 179628e6fd (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - かしわさん» コメントありがとうございます！完結するまで更新し続けますので気長にお付き合いください！ (2019年3月24日 21時) (レス) id: 8c59f4ad06 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ - この作品好きです。更新頑張って下さい。 (2019年3月23日 1時) (レス) id: 356d08c55f (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - ルインさん» コメント、ありがとうございます！嬉しい限りです！これからも気長に読んでください！ (2018年7月19日 19時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2018年3月28日 22時
