出てこい ページ42
グライガーを仲間にして早１週間、
キンセツシティからシダケタウンを通り、カナシダトンネルを通り抜けてカナズミシティへ。
カナズミシティから歩き、レイラは今までの旅路を逆走するようにトウカシティへと戻ってきていた。
早速センリへバトルを挑む、
筈だったのだが……
「……」
ここまで遠距離を歩いた影響か、彼女の抱える卵が自ら動く事が多くなったのだ。
ボールに入れることも出来ずどうにかここまではやって来たが、バトルの最中に動かれては集中出来るものも出来なくなる。
という訳で、レイラはポケモンセンターの一室に引き籠り、卵を抱えたままで部屋を彷徨いているのだった。
その様子を面白そうに見つめるのはアゲハントとアーケン。
「……オダマキ博士……歩けば良いって言ってた……」
不服そうにそう呟くマスターに、二匹は頷いて見せる。
邪魔をしないところを見ると、どうやら卵の孵化に興味があるようだ。
「……」
若干の疲れを見せたレイラは、卵を一瞥するとベッドへと腰掛ける。
その時、
ピキピキピキっ……！
上部を中心に、卵に蜘蛛の巣のようなヒビが入った。
「あ……」
望んでいた現象にも関わらず、あまりに突然すぎて開いた口が塞がらないレイラ。
表情には出さないが明らかに狼狽えている彼女を落ち着かせるように、アゲハントとアーケンが隣へとやって来る。
「はんっと！」
ポンポンと羽で軽く頭を撫でられ、レイラは覚悟を決めたように小さく頷いた。
「お前がどんな奴でも……アタシの大切な……トモダチだから……」
安心して出てこい、
その呟きが聞こえたのか、卵の亀裂の量が増し、中から眩い光が溢れ出す。
思わず目を固く閉ざしたレイラの腕の中で、卵の殻の感触が無くなる。
代わりに残ったのは柔らかくて丸い何か。
恐る恐る目を開けた彼女の膝の上には、
「とぴ？」
卵と同じように丸く、白を基調とした体にギザギザな頭。
黒い水晶のような可愛らしい瞳でレイラを見上げ、そのポケモンはコテンと首をかしげた。
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CrazyBook(プロフ) - コメントありがとうございます！本当に気長にお待ちください。 (2019年8月12日 9時) (
レス) id: 89127ffd6d (このIDを非表示/違反報告)
菜々美 - この作品好きです！ゆっくりでいいので更新頑張ってください。 (2019年7月18日 16時) (レス) id: 179628e6fd (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - かしわさん» コメントありがとうございます！完結するまで更新し続けますので気長にお付き合いください！ (2019年3月24日 21時) (レス) id: 8c59f4ad06 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ - この作品好きです。更新頑張って下さい。 (2019年3月23日 1時) (レス) id: 356d08c55f (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - ルインさん» コメント、ありがとうございます！嬉しい限りです！これからも気長に読んでください！ (2018年7月19日 19時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2018年3月28日 22時
