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ゴーグル ページ34

ジムから数歩外に出て早々、

「……あ」

「あ!」

レイラは目の前にある漢方薬の店から出てきた人物と目が合った。

相手は勿論、

「またアンタか……」

「なんでそんなに冷めた目で俺を見るんだよ!?」

相変わらずレイラの数倍の元気の良さを誇るユウキだ。

レイラの反応に少し噛み付く彼は、彼女の腕に抱かれた卵に目を見開く。

「それって父さんが言ってたポケモンの卵!?」

大きな瞳を好奇心に輝かせながら駆け寄るユウキに、軽く気迫押しされながらもレイラは頷く。

「……もらった」

「いいなぁ!最高のプレゼントだと思うよ!」

レイラに許可を得て卵を撫でるユウキの手がふと止まった。

「プレゼントって言えば……」

そう呟いた彼はリュックを前に回し、ゴソゴソと中を覗き込む。

レイラが1つ欠伸をする間に、ユウキはある物を彼女に差し出した。

「……何これ」

あからさまに「ダサい」と言いたげな声色のレイラは、目を細めて差し出し主を見つめる。

「ゴーゴーゴーグルって言うんだ!これを着けたら、ここに行けるようになるって父さんがくれたんだ!」

ここ、と言うと同時に彼はリュックから取り出したタウンマップの一点を指差す。

示されていたのは高い山々で囲われた砂漠。

2つの道路からでしか入れないそこは、【トレーナーの修行場所】として有名だ。

「……アンタのはあんの……?」

「当たり前だろ!……ほら!」

とりあえずゴーグルを受け取ったレイラの前で、ユウキは自分のゴーグルを着けて見せる。

緑の縁に赤茶色のレンズのそれは一見大袈裟ではあるが、ユウキはお気に召しているようで、

「カッコいいだろ!?」

とレイラに同意を求めていた。

「……はいはい……格好いい格好いい……」

明らかに適当な返事でも満足そうにユウキは、ゴーグルとタウンマップをしまったリュックを背負い直す。

そして、

「ジムから出てきたけど……勝ったのか?」

思い出したようにレイラの後ろの建物を指差した。

自慢するでも喜ぶでもなく、レイラは真顔で頷くだけ。

「なんで嬉しそうじゃないんだよ?すごい事なのに……!」

自分以上に喜びを見せるユウキにも、彼女は

「別に……」

と返したきり黙ってしまう。

と、

「ここでバッジが4つなら……次はセンリさんのジムだな!」

ユウキの発言に、少しだけ目を見開いたレイラ。

「……そうだな」

そう呟いた声には、少ないながらも既に緊張がまとわりついていた。

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設定タグ:ポケモン , ORAS , ダイゴ   
作品ジャンル:アニメ
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CrazyBook(プロフ) - コメントありがとうございます!本当に気長にお待ちください。 (2019年8月12日 9時) (レス) id: 89127ffd6d (このIDを非表示/違反報告)
菜々美 - この作品好きです!ゆっくりでいいので更新頑張ってください。 (2019年7月18日 16時) (レス) id: 179628e6fd (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - かしわさん» コメントありがとうございます!完結するまで更新し続けますので気長にお付き合いください! (2019年3月24日 21時) (レス) id: 8c59f4ad06 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ - この作品好きです。更新頑張って下さい。 (2019年3月23日 1時) (レス) id: 356d08c55f (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - ルインさん» コメント、ありがとうございます!嬉しい限りです!これからも気長に読んでください! (2018年7月19日 19時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:CrazyBook | 作成日時:2018年3月28日 22時

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