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新人 ページ30

握ったネストボールに「ありがと」小さく頷き、フードを取ったレイラは額の汗を拭った。

拭えども拭えども溢れてくる汗の原因は、籠りきったジムの熱気だ。

時折浅い温泉をザバザバと掻き分けて進むせいで、彼女の靴はずぶ濡れである。

それすら温かいのが逆に気持ち悪いのか、遂にレイラは靴を脱ぎ捨てて裸足でジムを進んでいた。

既に見慣れた木の板に乗れば、噴き上げる水に圧されて上へ上へと上がっていく。

そして出たのはジムの中央にあたる部分。

燃えるように赤い楓が辺りを彩り、蒸気に葉を揺らしている。

と、

「よ、よくぞここまで辿り着いたな!」

張のある女性の声に、レイラはそちらを振り向く。

声の主は、明るく赤みがかった髪を高く結わった女性。

ぴったりとしたTシャツとスキニーが細い体を引き立てている。

「アンタが……ジムリーダー……?」

若いね、と思わず付け加えたレイラに女性はピクリと眉を動かした。

「あたしが若くても……新人ジムリーダーでも舐めるんじゃない!

あたしの名前はアスナ!お祖父ちゃん譲りの才能とポケモンのホットな技で貴女を倒してみせる!!」

早速バトルに持ち込んだアスナに、レイラもボールを放る。

ポン!

「くぉおおおっ!!」

アスナの繰り出したのは、黒い甲羅を背負った亀のようなポケモン。

黒煙を甲羅の中央と鼻から吐き出し、再び雄叫びをあげて見せた。

対するレイラが繰り出したのは……

「きゅうおおっ!!」

甲高い鳴き声と共に辺りを走り回るアーケン。

卵を抱え直し、レイラはアーケンへ声を掛けた。

「……頼むよ」

短調だが信頼を滲ませる声色に、マスターを見上げるアーケンは大きく鳴き声をあげた。

少しずつ→←人間味



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設定タグ:ポケモン , ORAS , ダイゴ   
作品ジャンル:アニメ
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CrazyBook(プロフ) - コメントありがとうございます!本当に気長にお待ちください。 (2019年8月12日 9時) (レス) id: 89127ffd6d (このIDを非表示/違反報告)
菜々美 - この作品好きです!ゆっくりでいいので更新頑張ってください。 (2019年7月18日 16時) (レス) id: 179628e6fd (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - かしわさん» コメントありがとうございます!完結するまで更新し続けますので気長にお付き合いください! (2019年3月24日 21時) (レス) id: 8c59f4ad06 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ - この作品好きです。更新頑張って下さい。 (2019年3月23日 1時) (レス) id: 356d08c55f (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - ルインさん» コメント、ありがとうございます!嬉しい限りです!これからも気長に読んでください! (2018年7月19日 19時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:CrazyBook | 作成日時:2018年3月28日 22時

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