若い芽 ページ24
「で、キサマは私と戦うつもりかね？」
レイラから視線をずらすことなく、マツブサが問い掛ける。
「……どっちでも」
興味無さげに目を細める彼女は、とりあえずと言いたげにヒノヤコマをボールに戻した。
「ほぅ……ではキサマは何故、今、この時にここへ来た？」
実験材料を見つめる研究者のような、微かな期待を込めた瞳を見せるマツブサ。
「ただ……次の町に行きたいだけ。アンタら……邪魔」
闘争心が顔を覗かせた彼女に、マツブサは喉で小さく笑った。
「それなりの腕を持つようだな。そんなキサマに何も教えることなく潰すのは勿体ない」
アオギリと同じく、勝手に理想を語り始めたマツブサにレイラは大欠伸をかます。
もろ聞き流したような内容を纏めると、マツブサが率いるマグマ団は大地を広げる活動を行っているらしい。
大地は人類が進歩を進めた貴重な舞台だ、という理由で。
「そんで……ここ噴火させてぇの？」
ポリポリとフード越しの髪をかき、呟くレイラにマツブサは口の端を吊り上げた。
「直結はしないが、大方当たりだ」
そう答えた彼の手に、１つのモンスターボールが現れる。
「ここでの作戦を成功させた所で、キサマという不安要素がいては敵わない。
よって、ここで若い芽を摘ませてもらおう」
あくまで冷たく言い放った彼のボールから表現れたのは、ホムラと同じくバクーダ。
しかし、彼のバクーダはホムラのバクーダを軽く越える大きさだ。
「……摘む作業は勝手にやれ」
黙ってねぇけどな、と続けたレイラが手を突き出した。
それに合わせるように、ギャラドスが“アクアテール”を振るう。
が、
ガシャアンッ！
尾が叩いたのは足場の金網。
そこにバクーダの姿は無い。
と、
「トレーナーもポケモンも、血の気が多いな……)
愚痴を溢すような声色に、ギャラドスの背後をとったバクーダが鼻息を荒げる。
流れるような動きで再び尾を振るうギャラドス。
それは今度こそバクーダに命中をした、
のだが、
「“のろい”だ」
2、3段階程の“のろい”を重ねたバクーダの体に、“アクアテール”のダメージは入りにくい。
下から噴き上げた“噴煙”に隙を見せたと思えば、ギャラドスは“のしかかり”をモロに食らう。
悲鳴とも唸り声ともとれる声をあげた彼は、はみ出した足に“噛み付く”を浴びせる。
鋭く食い込む牙に怯んだバクーダは、続けざまの“つばめ返し”に距離をとられた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 117人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
CrazyBook(プロフ) - コメントありがとうございます！本当に気長にお待ちください。 (2019年8月12日 9時) (
レス) id: 89127ffd6d (このIDを非表示/違反報告)
菜々美 - この作品好きです！ゆっくりでいいので更新頑張ってください。 (2019年7月18日 16時) (レス) id: 179628e6fd (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - かしわさん» コメントありがとうございます！完結するまで更新し続けますので気長にお付き合いください！ (2019年3月24日 21時) (レス) id: 8c59f4ad06 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ - この作品好きです。更新頑張って下さい。 (2019年3月23日 1時) (レス) id: 356d08c55f (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - ルインさん» コメント、ありがとうございます！嬉しい限りです！これからも気長に読んでください！ (2018年7月19日 19時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：CrazyBook | 作成日時：2018年3月28日 22時
