足止め ページ5
「ギャラララッ!」
ベッドにうつ伏せになっていたレイラは、回復を終えたパートナーの声に顔をあげる。
「アンタが…… 強行突破嫌いなのは分かってる……ゴメン……」
寝惚け眼のマスターに頭を撫でられ、少し落ち着いた様子を見せるギャラドス。
「なんかさ……あのバトルでアンタが倒されたら……アタシの人生が否定される気がした……」
首をかしげるギャラドスに、レイラは続ける。
「バトルは……ポケモンのタイプ相性だけじゃない……不利な方が負ける訳じゃない……弱者が……強者に抵抗しても……悪くない……勝てるかも……しれない……勝負……を……常識で……切り捨て……たくな……い……」
ギリギリで言い終えた彼女の瞼が閉じる。
ジム戦を終えた現在時刻は、もうすぐで日付が変わる頃だ。
「ギャララっ……」
眠ってしまったマスターに寄り添うように、ギャラドスも目を閉じた。
「は?」
目の前の状況に、レイラは思わず声を漏らした。
土砂崩れで覆われた道路を、作業着を身に付けた多数の男性とポケモンが片付けている。
土砂崩れの希規模は大きいようで、土砂と人間、ポケモンの比率が全く合っていない。
「こっちに……ハジツゲタウン……」
思わず声を漏らした彼女に、一人の男性が近寄ってきた。
彼の手にも土砂を乗せた台車が。
「お嬢ちゃん、どしたの?あ、ここ通りたかった?」
時間差で小さく頷く彼女に、男性は申し訳なさそうに続ける。
「いやー、昨日にカチヌキファミリーが旅してるトレーナーとバトルしたみたいでさ。夜中だってのに容赦ねぇから……」
どうやら張本人のカチヌキファミリーの家は無事らしく、死傷者はいないらしい。
「ここ……いつになれば通れますか……」
「んー……だいたい3、4日後かな?とにかく4日で確実だと思うよ。お嬢ちゃんも旅してるの?ならさ、シダケの方に遊びに行ってみなよ。あの町は空気が綺麗だからさ、息抜きには良いんじゃない?」
喋り続けていた男性に、仕事仲間の声がかかった。
男性はレイラへ小さく手を振ると、仕事に戻っていった。
「……」
少しパーカーに着いた砂を払い、レイラはキンセツシティへ引き返す。
「シダケタウン……ミツルの叔父の家、か……」
タウンマップとのにらめっこを終えた彼女は顔をあげた。
「まずは……飯だな」
現在時刻、お昼前。
見事に寝坊した彼女は、朝食兼昼食の為にフードコートへ足を踏み入れた。
117人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
CrazyBook(プロフ) - コメントありがとうございます!本当に気長にお待ちください。 (2019年8月12日 9時) (レス) id: 89127ffd6d (このIDを非表示/違反報告)
菜々美 - この作品好きです!ゆっくりでいいので更新頑張ってください。 (2019年7月18日 16時) (レス) id: 179628e6fd (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - かしわさん» コメントありがとうございます!完結するまで更新し続けますので気長にお付き合いください! (2019年3月24日 21時) (レス) id: 8c59f4ad06 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ - この作品好きです。更新頑張って下さい。 (2019年3月23日 1時) (レス) id: 356d08c55f (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - ルインさん» コメント、ありがとうございます!嬉しい限りです!これからも気長に読んでください! (2018年7月19日 19時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:CrazyBook | 作成日時:2018年3月28日 22時