切れる ページ49
カン、カンと金属音をたてながら、相手は階段を降りてくる。
「なんで俺がここにいるか？簡単だよ……弱い奴を切り捨てる覚悟を持っているからさ……！」
得意気に両手を広げ、彼はニヤリと笑う。
「……の……ご……ねぇ……」
「あ？何て言ったか聞こえねぇよ」
目を伏せ、小さく呟いた彼女へ、トレーナーは聞き返す。
と、
ギンッ、と音をたてそうな勢いでレイラは相手を真正面から睨み付ける。
紅い瞳に気迫されたのか、呻き声を漏らした彼は2、3歩後退りをした。
追い討ちのようにレイラの口が開く。
「アンタのそれ……覚悟じゃねぇって言ってんだよ……」
……
一瞬の間を置き、苦し紛れにトレーナーは彼女を鼻で笑う。
「じゃ、おねーさんの【覚悟】って何よ？あと、アンタって呼ばないでよね。俺にはデオルトって言う神々しい名前があるんだ」
それを聞き、レイラはおもむろに１つのモンスターボールを取り出す。
彼女はそれを上に放っては片手で受け止める、という行為を繰り返しながら再び口を開いた。
「こんなアタシの側にいてくれるコイツらを……
……何があっても……
……誰に笑われようとも……
……絶対に見放さないこと……！」
………
「あはははははっ！馬ッ鹿じゃねぇの！？」
それを聞き、デオルトは笑い声を漏らした。
尚も真顔なレイラへ彼は続ける。
「それってさ、ただおねーさんもパートナーも弱いってだけじゃね？弱いモノは弱いモノと、醜い奴は醜い奴と一緒にいるしかねぇもんな！」
ブヂッ……
彼女の頭の中で、何かが切れる音がした。
頭を振るい、フードを外した彼女の銀髪が露になる。
小さな照明にもキラキラと反射するそれに、紅い瞳と共に相手が気迫されるのは必然であろう。
無言でモンスターボールを構えた彼女に、デオルトの頬に何故か冷や汗が伝った。
「……ッ！」
反射的にデオルトが構えたのはゴージャスボール。
何の合図も無いものの、両者は同時にボールを放った。
ポン！
「はあんっと！」
レイラのボールからはアゲハントが、
ポン！
「ぐがぁうっ！！」
デオルトのボールからは、黒い狼のようなポケモン……
グラエナが現れた。
「その口、黙らせてやるよ。弱くて醜い奴はなぁ！それらしく地面を這いつくばってればいいんだよ！！」
「ふーん……悪タイプ……」
唾を飛ばしながら叫ぶ彼を他所に、レイラは図鑑を見て呟いている。
「ッ……！やれ！やっちまえ！！」
今度はデオルトの何かが切れたのか、叫び声と同時にグラエナが地を蹴った。
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CrazyBook - ミアンさん» コメント、ありがとうございます。とても嬉しいです！現在3作品を掛け持ちしているので、どれかが完結した後に書き始めようと思っています！……本当に気長にお待ちください……！ (2018年3月24日 23時) (
レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
ミアン(プロフ) - 怪盗クイーンのお話も読んでみたいです…！ (2018年3月23日 18時) (レス) id: e3b3d0f2e7 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - 沖司美夜さん» コメントありがとうございます！勿論、一度でもコメントをくださった方のお名前は覚えてます！更新頻度がガタ落ちしましたが、気長にお付き合いください……！ (2018年2月15日 19時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
沖司美夜(プロフ) - お久しぶりです。覚えていらっしゃるといいのですが………。更新大変だと思いますが、頑張ってくださいね！ (2018年2月15日 18時) (レス) id: bf4ebf6ea6 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - ボムねこ@月夜の女神シィさん» ご指摘ありがとうございます。すぐに書き直させていただきます！ (2017年10月10日 20時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2017年8月16日 19時
