人酔い ページ44
「……気持ち悪い……」
完全な人酔いに、ベッドでうつ伏せになるレイラを心配そうに囲むパートナー達。
「ギャララッ！」
「……大丈……夫」
ギャラドスの声に全く大丈夫そうではない声が返ってくる。
「ヒヤママッ……」
軽く首をかしげるヒノヤコマにアゲハントは首を横に振る。
二匹が視線を向けると、ギャラドスも大人しく頷いた。
どうやらマスターをこのまま寝かせておく事にしたようだ。
のだが、
「きゅうおおっ！きゅおっ！」
一向に大人しくならないどころか、余計に元気になっていくポケモンが一匹。
アーケンは問答無用に彼女の背中に乗る。
そして軽い“ついばむ”で気を引こうとし始めた。
「……何……？」
器用に手を伸ばし、うつ伏せのままアーケンの頭を撫でる。
「きゅうおおっ！きゅおっ！」
「あー……」
背中から降りたと思えば、飛べない翼をはためかせて窓枠へ飛び移ったアーケン。
ゴロンと窓へ顔を向けるように寝返りをしたレイラは小さく頷いた。
窓の外に見えたのは目映い光を放つ建物……
キンセツシティジム。
既に日が暮れているのに加え、電気タイプのジムだということでレイラは安易に足を運ばなかったのだが……
ズガガガガッ！
アーケンは割れるのではという勢いで窓をつつき始めた。
「ギャラッ！」
ギャラドスが手元にアーケンのボールを転がすも、手にとらないレイラ。
そして、
「わーったから……」
だるそうながらも、声をあげた彼女はのそりと起き上がった。
さすがにポケモンセンターの窓は割らせられない、と言いたげな瞳に見つめられたアーケンはすぐさま窓から離れた。
「……行こ」
端的に声をかけ、次々とパートナーをボールを戻していく。
「ギャララッ……！」
ボールに戻す前、
一瞬だけ目が合ったギャラドスにレイラはそっと手を伸ばす。
そして、
「前より性格、丸くなったな……！」
再び頭に直接響くような声が聞こえ、目を丸くした。
そして無意識に鏡を振り返る。
「母さん……紅い瞳の一族なんて作り話なんだろ……？」
小さくこぼれたその声は、誰に届くのでもなく壁に吸い込まれていった。
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CrazyBook - ミアンさん» コメント、ありがとうございます。とても嬉しいです！現在3作品を掛け持ちしているので、どれかが完結した後に書き始めようと思っています！……本当に気長にお待ちください……！ (2018年3月24日 23時) (
レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
ミアン(プロフ) - 怪盗クイーンのお話も読んでみたいです…！ (2018年3月23日 18時) (レス) id: e3b3d0f2e7 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - 沖司美夜さん» コメントありがとうございます！勿論、一度でもコメントをくださった方のお名前は覚えてます！更新頻度がガタ落ちしましたが、気長にお付き合いください……！ (2018年2月15日 19時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
沖司美夜(プロフ) - お久しぶりです。覚えていらっしゃるといいのですが………。更新大変だと思いますが、頑張ってくださいね！ (2018年2月15日 18時) (レス) id: bf4ebf6ea6 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - ボムねこ@月夜の女神シィさん» ご指摘ありがとうございます。すぐに書き直させていただきます！ (2017年10月10日 20時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2017年8月16日 19時
