コンテストスカウト ページ35
「おぉー！！」
ある一ヶ所に集まった人々の歓声にレイラはふと足を止める。
腕の中のアーケンがパタパタと翼を上下させるなか、珍しく彼女は人々の間をすり抜けて集団の真ん中付近を目指す。
そこには……
「はぁんっと！」
柔らかな“風起こし”で辺りを包み込むアゲハントと、
「ヒヤママッ！」
舞い散る火の粉で花弁のような優雅さをかもし出すヒノヤコマの姿があった。
「何やってんだか……」
呆れたようにそう呟いた彼女の目が一瞬だけ見開かれた。
視界に入ったのはカメラを構える男性とマイクを持った女性レポーター、その隣に青色のミニスカワンピースを纏ったアイドル風の女の子。
ーこれ……テレビの撮影か……！？
数秒の間も置くことなく、レイラはアゲハントとヒノヤコマをボールにしまう。
人々の不満げな視線が一斉に刺さるのを気にすることなくアーケンをもボールに戻し、レイラは再び人の波をかき分けてその場を後にしようとした。
と、
ガシッ！
何者かに腕を掴まれた彼女は振り返る。
そこには先程のアイドル風の女の子がいた。
エメラルドグリーンの髪をアップにし、パッチリと開かれた目は嬉しそうに笑っている。
「さっきの二匹のポケモン、あなたのパートナーなのかな？」
小さく頷いたレイラの近くへカメラマンとレポーターまで駆け寄ってくる始末だ。
「すごいですねルチアさん！ポケモンパフォーマンスのライバルになりそうな方が現れましたよ！」
「はいっ！」
ルチア、と呼ばれたアイドルは頷く。
そしてレイラに向き直る。
状況の把握が追い付かない彼女はいつにも増して仏頂面になっていた。
「初めまして、あたしルチアって言います！皆ー！いっくよー！」
彼女に自己紹介をしたルチアが不意に声を張り上げる。
中途半端なパフォーマンスに落ちていた人々のテンションを盛り上げ、ルチアはレイラに向かってポーズを決めた。
「キラキラクルクル！ルチアのコンテストスカウトー！」
さすがにここまで言われたレイラは悟る。
「アタシ……バトルしかやらないんで……」
本当はバトルもあまり好まない、ということは口が裂けても言えないだろう。
フードを深く被り、ジリジリと後退する彼女の手をルチアが再び掴む。
「まずは何事も挑戦だよ？」
そう言ってきた彼女の手を払い、レイラは身構えた。
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CrazyBook - ミアンさん» コメント、ありがとうございます。とても嬉しいです！現在3作品を掛け持ちしているので、どれかが完結した後に書き始めようと思っています！……本当に気長にお待ちください……！ (2018年3月24日 23時) (
レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
ミアン(プロフ) - 怪盗クイーンのお話も読んでみたいです…！ (2018年3月23日 18時) (レス) id: e3b3d0f2e7 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - 沖司美夜さん» コメントありがとうございます！勿論、一度でもコメントをくださった方のお名前は覚えてます！更新頻度がガタ落ちしましたが、気長にお付き合いください……！ (2018年2月15日 19時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
沖司美夜(プロフ) - お久しぶりです。覚えていらっしゃるといいのですが………。更新大変だと思いますが、頑張ってくださいね！ (2018年2月15日 18時) (レス) id: bf4ebf6ea6 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - ボムねこ@月夜の女神シィさん» ご指摘ありがとうございます。すぐに書き直させていただきます！ (2017年10月10日 20時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2017年8月16日 19時
