壁画 ページ24
No side
ピチョン……
ピチョン……
何処からか漏れる水音と自身の足音だけを響かせ、レイラは奥へ奥へと進んでいく。
「寒い……」
思わずパーカーの上から二の腕を擦った彼女は、ふと下へ降りていく階段を見つける。
「お願い……」
ヒノヤコマを飛ばし、足元を照らしながら彼女は階段の先へ歩を進めた……
と、
パッ
彼女を感知したからか、自動で点灯するライトがお出迎え。
急に明るくなった視界に映ったのは開けた空間と、奥の巨大な壁画。
そして……
「やはり調べる価値はありそうだね……」
相変わらずの涼しげな顔でその壁画見上げるダイゴの姿だった。
「……」
「ヒノヤッ？」
足を止めたマスターの周りを旋回し、促すヒノヤコマ。
分かってる、と言いたげに小さく頷いた彼女はフードを深く被り直す。
そしてわざと大きめの足音をたて、兄へと近付いて行った。
「ん……？」
案の定彼女に気が付き、ダイゴはチラと後ろを向く。
自身に無言で手紙を差し出す人物を確実に警戒している様子の彼は、レイラへ向き直った。
「……ダイゴ……さん……ですよね……？」
「うん、僕がダイゴだ」
頷いた彼にレイラは再び手紙を突き出す。
「……ツワブキ……社長……から……」
決して目を合わせたり、顔を見せることなく差し出されるそれをダイゴは漸く受け取った。
「ありがとう。親父のお使いを頼まれるなんて相当信頼されているんだろうね」
薄く微笑むダイゴにレイラは小さく首を振る。
その拍子にフードに納めていた銀髪がはらりと肩へ垂れた。
それと同時に一瞬だけダイゴの瞳が見開かれる。
「……！」
髪を隠そうとした彼女は慌てるあまり、フードを手で弾いてしまう。
「……どこかで……会った事はないかな？」
完全に目が合い、そう尋ねてきた兄にレイラは目を伏せて首を横に振った。
「そう、か……」
再びフードを被る彼女を横目に呟いた彼は手紙をしまい、壁画を見上げる。
「君は……この壁画から何を感じるのかな」
つられて見上げた彼女が見たのは3体のポケモンであろう生き物が描かれた壁画。
片方のポケモンの腕には【Ω】、
反対側のポケモンの腕には【α】という紋章が浮かんでいるように見える。
火山から噴き出す溶岩と荒れ狂う海の周りで描かれているのは人だろうか。
その脅威に晒される人々は崇めるかのように中央の鳥にも、海獣にも見えるシルエットのポケモンを見上げていた。
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CrazyBook - ミアンさん» コメント、ありがとうございます。とても嬉しいです！現在3作品を掛け持ちしているので、どれかが完結した後に書き始めようと思っています！……本当に気長にお待ちください……！ (2018年3月24日 23時) (
レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
ミアン(プロフ) - 怪盗クイーンのお話も読んでみたいです…！ (2018年3月23日 18時) (レス) id: e3b3d0f2e7 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - 沖司美夜さん» コメントありがとうございます！勿論、一度でもコメントをくださった方のお名前は覚えてます！更新頻度がガタ落ちしましたが、気長にお付き合いください……！ (2018年2月15日 19時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
沖司美夜(プロフ) - お久しぶりです。覚えていらっしゃるといいのですが………。更新大変だと思いますが、頑張ってくださいね！ (2018年2月15日 18時) (レス) id: bf4ebf6ea6 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - ボムねこ@月夜の女神シィさん» ご指摘ありがとうございます。すぐに書き直させていただきます！ (2017年10月10日 20時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2017年8月16日 19時
