【へきせん】羽撃かなければ意味も無く【CS】 (ページ3)

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【備考】
　彼女は、冷戦時にアメリカで作られた機体である。要撃機のなかでも性能がよく、アメリカ空軍の航空宇宙軍団に配備されていた。しかし名に残るような大きな戦闘を経験することもなく、冷戦が終了。機体の大量生産が見込めなくなり、本来であれば冷戦後──1998年で、F-106は退役している。
　しかし彼女は以降、沖縄にある在日米軍基地へ異動している。そこでも大きな戦闘はなく、ほとんど置物と化していた。唯一乗っていたパイロットも、歳を重ねて引退。もし機体に破損が見られれば、彼女も即刻引退を迎えていただろう。しかし──壊れる前に、古式不明機の全世界襲撃が起こる。それを機に、“置物”であった彼女はアメリカからの支援という名目であきつ軍民飛行場に配備された。彼女が古式不明機の迎撃任務に実際にあたるのは、三回目の襲撃からである。

　あきつ軍民飛行場に配備されるまでは英語としか触れあってこなかったため、日本特有の単語はカタコト気味になることが多い。現在も日本語は勉強中だが、たまに英語が出てしまうことがある。その過程で他文化に強く興味を惹かれており、子供や外国人客に混じって日本文化を体験している姿も時折見掛けられる。最近はキリタンポなるものが気になっている様子。

　カメラは職員の一人から教えてもらったものであり、初めのうちは職員から借りたデジタルカメラだったが、現在では専用の一眼レフカメラを手に入れている。イベントでの写真撮影を手伝ったり、あきつ軍民飛行場での日常を撮ったものを自身でアルバムにまとめている。既に3冊ほどできているらしい。
　彼女は今日も今日とて、いつ墜落しても未練が残らないよう日々を精一杯楽しんでいる。

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