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短編:やっぱり彼は一枚上手。  @鈴様リク ページ15

「(人2)ちゃん」



甘ったるい声が、僕の耳に響く。

僕に抱きつきながら、顔を肩にうずめてくるこの男。


伊東歌詞太郎。


ネットでは“爽やか”“武士”などとかなり好青年なイメージを持たれている彼だが、

実際はそんなことはない。

つい最近付き合い始めた彼は
すぐやきもちはやくし、定期的に所有印をつけてくる。

拗ねるとしばらく話は聞かずにつんとしているし、手がつけられない。

(まるで子供だ・・・)

「誰が子供なの?」
「わっ」

思っていたことが彼の口からこぼれるものだから、驚いて彼を見つめる。

「おもいっきり言ってたよ」
「・・・」

ふい、とあちらを向く。

彼の眼が、面白いおもちゃをみつけたように輝いていたから。

僕はこの目に弱くて、直視できない。

それに、この目をした彼は・・・


「(人2)ちゃん、かまって」


この一点張り。

「かまってあげてるじゃないでs「かまって」・・・」

これじゃラチがあかない。

困っていると、「何かしてくれるの?」と尋ねてくる。

何も、というとまた「かまって」が始まる。


「かまって(人2)ちゃん。ねぇ、かまって?」


あぁ、うるさい。

でも、ずっとこの声を、この言葉を聞いていたい僕もひそんでいて。

彼がここに居ることを認識していたくて。

好きだから、聞いていたくて。

この声が止むのが、惜しい。




「かまってよー・・・もぅ、帰っちゃうよ?」



途端に、背中の重みが消えた。

「っ、待っ・・・!!」

ぎゅ、と立ち去ろうとする彼のシャツを力いっぱいに握りしめる。




「・・・やっとかまってくれる気になったの?」




悪戯っ子のように笑みを浮かべる彼は、僕の頬を両手で優しく挟んだ。

「・・・っ、別に、貴方が居なくなったら僕がヒマになるから・・・っ」
「またネットすればいいでしょ?」
「最近、あまり面白いものがないから・・・!」
「嘘」


どく、と心臓が鳴る。






「俺とずっと居たいから、でしょ?」





あぁ、やっぱり・・・


とすっ


「自惚れすぎじゃないですか・・・////」

「そう?俺は(人2)と一緒に居たいけど・・・?」

“(人2)はどうなの?”



「一緒に居たいにきまってるじゃないですか・・・ばか・・・っ/////」




やっぱり、僕より彼の方が一枚上手だ。

「愛してる」

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ぱーかー(プロフ) - ひめさん» おおおお!!!10日ちがいですね、(19日にかえてやろうかしら(( (2014年4月24日 21時) (レス) id: 10dd22b3fd (このIDを非表示/違反報告)
ひめ - 主s!この小説の設定では、誕生日3月9日じゃないですか(^^)d私誕生日3月19日なんですよーw (2014年4月24日 11時) (レス) id: 5bad54acd1 (このIDを非表示/違反報告)
こにゃた(プロフ) - ぱーかーさん» 咳しすぎて喉が・・・潰れ、な、いかもしれない← (2013年4月16日 4時) (レス) id: 4fd7aabe3c (このIDを非表示/違反報告)
ぱーかー(プロフ) - こにゃたさん» wwwwwwwww (2013年4月14日 12時) (レス) id: bf94a30a8e (このIDを非表示/違反報告)
こにゃた(プロフ) - 88888888888←(;・∀・)ヤメル (2013年4月14日 12時) (レス) id: 4fd7aabe3c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱーかー | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2013年3月8日 20時

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