Delusion Dark Pot 5

その2 ページ17

それからもずーっと

バイブの強さを上げたり下げたりして
遊んでたのよ



可愛かったよ？本当に



弱くするとちょっと安心したみたいに

顔が緩むんだけど



またいきなり強くすると油断してた分


びくっ、って体が震えたりさぁ



すっごく可愛かった。ヤバかった。



んー、でもこの状況
ちょっとまずいかな？



こっそりライン送ってきたみたいで


見てみたら………



『光なんてもう嫌
大嫌い、死んで』



ってメッセージが送られててさ



ヤバイよ。薮ちゃん激怒しちゃったよ



さすがにしょーがないかもね！



でも止めたくないしなぁーっ！！



どーしよ。



先「えー、では
この様な形で体育祭は
運営していく方向でいきましょう」



やっと解放される！って感じの

嬉しそうな顔で薮が笑ったときだった



先「あ、薮先生はリレーのことで
話があるんで残ってもらえますか？」



………薮、どんまい



やぶ「っ、あ……え、っと」



先「ではありがとうございました。」



やぶ「っ、えぇ………」



助けを求める様な目で
オレを見てくるけど

オレのこと大嫌いなんだよね？



よし、帰ろ



「じゃーね薮！またあとで！！」



そう言って会議室を出ようとしたときだった



やぶ「ま、って、くださ、……」



ぎゅ、と薮が服の裾を掴んできた



オレよりも少し大きい薮を見上げると



ゆらゆらとたまった涙で瞳がゆれ

今にも泣きだしそうな顔だった



あ、だめだ



こんな可愛い薮
のこして帰れるわけがない



一人にしたら誰かに襲われるに決まってるわ



「先生ごめんなさい！！
今ちょっとどーしてもはずせない用事が
あるんですよ！後からでいーですか？」



先「………え、でも」



やぶ「おねが、します……」



先「うーん、じゃあいいですよ」



なんだよその残念そうな顔。


こいつも薮のこと狙ってたのか？



薮は無自覚に可愛さ振り撒いてるからなぁ……



どいつもこいつも
せっかくオレが諦めさせるために
“オレのもの宣言”したのに

意味ねーじゃねーか！



やぶ「ひ、かる、っ、……いこ」



「うん！」



よし、もう少しだけ楽しむか！！





END

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