御92様が江戸に来た様で。

第六訓 ページ6

「へぇ……あんたら、名前はなんというんだい？」

タバコを手にもちつつも、そう訊くのはお登勢さん

先程、たまさんがお登勢さんを連れてきて、銀時さんが私達の事情と万事屋に住まわせることを軽く言ってくれた。

まぁ、あまりにもざっくりに言われたが。

『こいつら、今家ねぇから暫くの間上に住まわせんぞ。』

今思い返してもざっくりしすぎている。

「えっとー…この眉毛が多いのが……朝カーズくん。んでこの黒髪がホンマさん…だよな？」

神楽さんと新八さんに確認する銀時さん、どうやら人の名前を覚えるのが苦手らしい

「違いますよ、銀さん、こちらの方がアーサー………」

訂正しようとした新八さんの口が止まった

どうやらこの子も名前を覚えていないようだ

まぁ、名前が長いこともあるので仕方がない

私は長いこと一緒にいるので慣れましたが

｢……ごほんっ｣と咳払いをすると｢アーサー・カークランドだ。アーサーと呼んでくれ」

と、アーサーさんが自己紹介をした

「私は本田菊と申します。好きなように呼んでください。」

一礼し、また顔をあげると「ほぉ…」と言いたげな表情をしたお登勢さんがいた

「銀時んとこにしちゃしっかりしてんじゃないか。菊、アーサー、うちの子をよろしくね」

予想とは違う反応に戸惑う

(普通それは私達に言わないのでは、、)

｢んじゃそろそろ行くとすっか」

やたら早足で出口で向かおうとする銀時さんに｢オイ！！先月の家賃もらってないよ！！｣とお登勢さんが大声で叫んだ。

｢えぇっ！？ちょっと待ってください！銀さん！」

バタバタと急いで追いかける新八さん

(これ私達も行かないと…)

そう思い、立ち上がると腰に痛みが。

｢いたっ…｣そう言うと｢大丈夫アルか！？｣と心配してくれる神楽さん

｢いえ、大丈夫です。」そう笑いながら言うと｢なら良かったアル。一緒に行くヨ？」

と私に笑いかけてくれた

｢ほら、菊。」

そう手を差し出すアーサーさん｢ありがとうございます｣そう言い、手を繋いだ

｢……あー…いたかった。」少しだけ低くなった声をだし、腰を少しさする。

｢もう大丈夫か？お前ジジイすぎんだよ、もうちょい頑張れよ、介護されちまうぜ？｣

｢ははっ……｣乾いた笑い声をだしていると｢行くアルヨー！！」と外から声が聞こえた

パッと手をはなし、早足で神楽さんのもとへと駆け寄った

第七訓→←第五訓

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す