御92様が江戸に来た様で。

第十九訓 ページ19

「土方さん、珍しいですね。見廻りですか？」

「はっ、こんな平日にお散歩なんて余程暇みたいアルな。」

「あー…まぁな」

神楽ちゃんの嫌味を軽くスルーした…

いつもならここでつっこむはずなのに

「お前らは何してんだ？」

「あぁ、あそこのスーパーで卵のセールがあったので、お買い物です。」

と、手元の袋を見せると「そうか」とさらっと返事が返ってきた

「…ところで、あそこでうちのと喧嘩してる奴はだれだ？」

「え？」

そういえばアーサーさんがいない

それに、先程まで土方さんの隣にいた人まで…

土方さんが指差す方向を見ればすぐにその二人は見つかった

「ンだとテメェ！その髭引きちぎってやろうか！？」

「なんだとー？そのダッセェ眉毛整えてあげようか！？」

「うるっっせぇ！この綺麗に並んだ眉毛を見ろ！テメェのその中途半端に伸びた髭とは違うんだよ！目腐ってんのか！？」

「あらやだ！お兄さんのこの髭の魅力が分からない？？そんなだからいつまでたってもそのセンスは変わんねーの！！」

「は…はぁ！？それ今関係ないだろうが！！！」

「いーや、あるね。もーとっても重要。」

なんだろう、この見覚えのある会話は

身近なあのアホ達となんら変わらない雰囲気だ

「それを言うならお前だってその手首のやつは何だよ、中学生でももうちょっとマシなコーデするぜ？」

それより…

「「長げぇ」」

長い、長すぎる。あの神楽ちゃんまでもが呆れてる

お互いがお互いをけなしあって…仲が悪いのか良いのか。

「……ってか、なんでお前がここに居るんだよ」

思い出したかのように冷静さを取り戻したアーサーさんは男の人に聞く

「はぁ？？お前がここに呼んだんだろ？？」

男の人は意味が分からないと言ったように言葉を返した

「呼んだって…なんで俺がお前を呼ばなきゃいけないんだよ。しかもどうやってお前を呼ぶんだ？」

「え……お兄さんに会えないのが寂しくて『ほあた☆』で呼んだんじゃなかったの！！！？？」

「はぁぁ！？そんなことする暇あるならもうとっくに帰ってるわ！！」

やばい、そろそろ人の視線がいたくなってきた。

「あ、あの！そろそろ静かにしてください」

僕がそう言うと二人は少し周りを見て「すまない」と謝った

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