御92様が江戸に来た様で。

第十七話 ページ17

「あーあ、暇だなぁ…」

書類を確認する音だけが室内に響く

「ねーぇ？土方くーん、お外行きたーい」

背中に抱きつこうとすればいとも簡単に振り払われる

真選組に来て暫くの間、俺達は監視ということもあって外出禁止。

食事の手伝いをしようとすればそれも禁止。

いつも誰かが隣にいる状態。

たまには外で遊びたい

「ねー！！土方くーん？？聞こえてる？お兄さんと一緒にぃ、お出かけしよ？」

「………。」

……

お兄さんが誘ってもシカトされるなんて、、、。

流石に酷い、傷ついちゃう

――――「あ、近藤さん、見廻り行ってきてもいいですかィ？」

後ろを振り返ると、沖田くんが近藤さんと話していた

「えっ！？見廻り！？」

バッと後ろを見るが、土方くんは変わらず書類を確認している

「許可してぇとこだが、、、」

うーん…と近藤さんは迷う、

あー…やっぱりか、と予想していた様な反応を沖田くんはする

そんな空気の中、一言も言わなかったトーニョが

「なぁなぁ！俺も見廻り一緒に行ってもええ？」

と笑顔で言った

「…近藤さん、いいですよねェ？」

そう言うと近藤さんはパッと表情が変わって

｢……あぁ、それならいいぞ！｣

と返事した

(え……、待って、俺は外出禁止でトーニョは……)

｢もうやだ！なんで俺こんなに不憫なの！？｣

｢あ、そうだトシ｣

と近藤さんは急に思い出したかの様に土方くんの方へと目を向けた

｢お前も今日は休んでボヌフォワさんと一緒に出かけたらどうだ？
江戸を案内してやってくれ｣

｢え？｣沈みかけていた俺の気持ちがとたんに上がりだす

しかし、土方くんはため息をついて筆を音をたてて置く

｢冗談じゃねぇ、近藤さん。報告書もまだ書き終わってねーし、ただでさえコイツらは不審者みてぇなもんだ。｣

｢えー？土方くん最近書類ばーっかり扱ってんじゃん。たまには息抜き必要だとお兄さん思うなぁ？」

｢いいじゃないか、ボヌフォワさんの言うとおり息抜きになると思うぞ？｣





｢―――――だからいいでしょー？別に俺は逃げたりなんて絶対にしないし、そんなの俺のポリシーに違反する」

｢……はぁー……｣

諦めに近いため息をまた土方くんは溢す

あれから俺や近藤さん、沖田くん、トーニョまでもが説得していた

そしてついに

「わかったわかった、休みます。休みます」

休むと宣言してくれた

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