復讐を誓ったその日から

第44話 ページ45

数分後、救急車が駆けつけ、翼さんは病院に搬送された


翼さんは出ることができなくなったが、他の3人は出演できる状態だったため、最後まで収録することになった



灰月さんが志季さん、里津花さん、大さんにつき、私は翼さんにつくことになった




　
　
　
　
　
翼さんの処置が終わり、今はベッドで横になってる
ただ、まだ目は覚めていない


『翼さん…………』


　
私のせいだ
私がもっと周りをみていれば……
マネージャーとして、タレントを守らなければならない立場だったのに
逆に守られて
初日から大失態だ
というより、これは謝って済む問題ではない



それでも、今の自分にできることをやろうと思い、できる限りのことをした


しかし、疲れてしまったのか、そのまま眠りに落ちてしまった

　
　
　
　
　
　

　
　
真っ暗で周りが何も見えない
誰もいない

ただ、わかるのは悪い予感がすることだけだった


手を握った瞬間、何かヌルッとしていて思わず手を見る

暗くてよく見えなかったが、それは確実に赤黒いものだった


『っ血…………』


人殺し

どこからか、そんな言葉が聞こえてきた気がする


そうだ、私はそうだったんだ


理由があったにせよ、私は翼さんを手にかけようとした

それはどんなことがあっても変わらない事実

殺してはいないが、それは同じことだった




いや、もしかしたら今回のことで翼さんは…………


っ…………


いや……


『誰か……助けてｯ……』


両頬に涙が伝う
その時、少し先に光が見えた気がした

私は立ち上がり、懸命にその光を追いかける


『待って……！』




　
　
　
　
　
　
　


　
　


　
　
「……ん、…………ちゃん！」


声が……聞こえる


「……Aちゃん！」

私の名前
私の大好きな声で、誰かが呼んでる



翼「Aちゃん！」


三度目で、ようやく目が覚める


『っ……ゆ、め…………』


私の頬には、涙が伝っていた


翼「よかった、起きた……すごいうなされてるみたいだったから」



私は思わず、翼さんに抱きついた


　

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