Killers West 4

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side K.Tomohiro



『早う金を出せ、さっさとしろ！

早うしないといい台取られるやろ！』



ただただ無表情で、降ってきた痛みに耐えた。

丁度2週間前だろうか。
早朝に数ヶ月間過ごしたあの家を飛び出して、実家に帰ってきた。
オトンは俺を大歓迎。気持ち悪いくらいに。
その理由は、すぐに分かった。



神「…はい、これ。」



オトンは俺が差し出したバイトの給料を分捕り、ニヤニヤしながら数え出す。



『ほんまにありがとうなぁ？

智洋のおかげで助かっとるわ。』



俺の肩を軽く叩き、オトンは出掛けていった。
さっきの言葉から察するに、パチンコに行くのだろう。



神「はっ…酷い顔やなぁ。」



洗面所の鏡に映る俺は、まるで別人だった。
さっき殴られた所は赤く腫れている。
今までに殴られた跡は紫色に変色していた。

土曜日の午前。朝はいつもこうだ。
“借金返済の為”に稼いだお金をオトンに盗られ、1日でパチンコに消えていく。



神「ほんま、俺はアホやなぁ…。」



いつしか掛かってきた、オトンからの電話を思い出した。

“せいぜい頑張れや。俺の為に、な。”

含みのある言い方に、気付けば良かった。
なんて、今更後悔しても遅いけど。


事情を話して、わざわざ給料を日払いにしてもらって、毎日オトンの口座に振り込んで。
それなのにオトンはそれを全てパチンコにつぎ込んだ。
一切、借金返済に使わなかったのだ。



神「…あ、しげ…。」



しげから電話が掛かってきた。
出ずに、すぐに切る。
俺が何度そうしても掛けてくるのだから、申し訳なくなってきた。


でも、俺は皆に助けてもらう訳にはいかないんや。

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