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31話 ページ31

『くっ九瓏先生っ!?どこへ行くんですか?』

Aは戸惑いながらも、店の方へぺこぺこと頭を下げケントに腕を引かれている。

店先には一台の車。

紫「ここからは先生とデートな。」

スマートに助手席のドアを開けるケント。

Aは一気に頬が熱くなるのを感じた。

車に乗り込めばドアが閉まり、しばらくしてケントが運転席に乗り込む。

車が走り出し、着いたのはショッピングモール。

紫「よし、今度は服選びだ。」

『服…ですか?』

ケントに手を引かれるままAは後ろを付いて行く。

紫「だってー。お前、全体的に暗いよー。」

本日のAは黒のトップスにグレーのボトムス。

持っているバッグも黒なので、確かに暗いと言われればくらい。

『でも、こういう方が目立たないし…』

紫「別に似合ってないわけじゃないよ?けどさ、若いんだからもっと明るい色も着て行かないと!」

そう言ってケントが入ったのは、高校生からOLまで幅広い人気を誇るブティック。

「いらっしゃいませ」の声と共に、清楚な洋服を着こなした店員が近寄ってきた。

「何かお探しですか?」

紫「この子に似合う服をいくつか見繕ってくれますか?」

グイッと背中を押され店員の前に突き出される。

店員は上から下までジロジロとAを観察すると、ふん!と意気込んだ。

「ご予算は?」

紫「特に。」

「かしこまりました。ではすぐに何着かお持ちしますね。」

店員は気合いを入れたように、速足で洋服を選びに行った。

『せっ先生!私…そんな高いもの買えません…』

紫「気にすんな。今日は先生からのプレゼントだ。」

『そんな!ダメです!』

紫「いいんだよ。これからのAに投資するんだ。」

『投資…?』

紫「そう、Aが頑張って変わって行く、その勇気にな。」

『だけど…やっぱり全部なんて…』

到底受け取れない。というAにケントも折れた。

紫「じゃ、何着かは自分で。後は俺が払うから。それでいいだろ?」

ケントの言葉に、Aも渋々頷いた。

紫「髪、ずいぶん短くなったな?」

優しい手がAの髪に触れる。

紫「でも、俺の注文通り。Aに凄く似合ってるよ。」

『あ…ありがとうございます。って注文通り?』

紫「そう、お願いしといたの。」

『もしかして支払いも先生がっ?』

紫「そうだよ。」

『そんなッ…払います!』

紫「だからー、先生からのプレゼント。」

『だけどッ』

と口を開くと、店員が丁度戻ってくる。

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炭酸(プロフ) - 剣城萌江さん» ありがとうございます(^^)こんな駄作ですが…先生をより好きになるお手伝いが出来て私は幸せです! (2017年7月8日 10時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
剣城萌江(プロフ) - 最近リア友にアルスマグナを布教され、見事に沼にハマった新米メイトです。ケント先生推しなので最初からドキドキワクワクしました!これを読んでもっと先生のことが好きになりました(*´ω`*) (2017年7月6日 16時) (レス) id: 869f1bba53 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - あさべるさん» ただいまです!ありがとうございます(^^)読みに来てください!ゆっくりではありますが、書き始めてますので、気長にお待ち下さい(^_^;) (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - アメさん» ご無沙汰してます。長らくお待たせしました(;´Д`)お気遣いありがとうございます(^^)アメさんもお気を付けて! (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - 韮さん» ただいまです!はい!のんびり楽しく頑張ります(^^) (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:炭酸 | 作成日時:2017年2月22日 0時

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