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32話 ページ32

そのままフィッティングルームへ連行されたAは、次から次へと衣装を着替えさせられ、まるで着せ替え人形のようだった。

全て着終える頃にはぐったりとしたAに、それを苦笑いで見つめるケント。

購入した紙袋を2人でもって店を出れば、やり切った笑顔の店員が深々と頭を下げていた。

一度荷物を車へ積み込むと、カフェへと入る。

座席に座ったAは椅子にもたれかかり疲労困憊のようだ。

紫「疲れた?」

コーヒーを啜りながらAを見るケント。

『はい…こんなに長時間、外にいるのは久しぶりで…』

紫「えぇ!?もっと外に出て光合成しないと!」

『光合成って…私は植物かなんかですか?』

紫「人間も太陽を浴びることは必要だぞ?」

Aは目の前のオレンジジュースを一口飲む。

『今日はたくさんの太陽に一気に照らされて疲れました。』

紫「たくさんの太陽?」

意味が分からずケントが問いかけると、一呼吸おいてAが口を開く。

『空にある太陽と、タツキ先輩にウィト君…』

紫「タツキと朴?」

『はい…すっごく元気で、太陽みたいにキラキラ笑ってました…』

それを思い出してか、少し口元が緩んだA。

しかし反対にケントの口元は引き締まる。

紫「ねえ、A?」

『何ですか?』

紫「アキラと奏はなんて呼んでるっけ?」

唐突な質問に首を傾げながらもAは答える。

『神生君と、泉君…ですけど。』

紫「じゃ、俺は?」

『九瓏先生。』

紫「タツキと朴は名前で呼ぶのに?」

『って言っても、今日からですよ?二人からそう呼んでって言われて…』

紫「なら、俺も。」

ケントの言葉に再び首を傾げるA。

紫「ケント先生って呼んで?」

『わ、分かりました…けど、呼び方って関係ありますか?』

Aは思っていることを口に出す。

紫「関係あるよ。」

『私にはあまりよく分かりません…』

紫「名前の方が、近い感じがしないか?」

『近い…?』

紫「うん、実際の距離も、心の距離も。」

『そうでしょうか…』

Aはよくわからないっと言った様子で言葉を漏らした。

紫「それに俺、嫉妬しちゃった。」

『嫉妬…あぁ、タツキ先輩の事ですか?』

紫「そうだけど、そうじゃない。」

『今日の先生はよく分かりません…』

紫「まあ、今はいいかな。分かんなくて。」

これ以上は話しても理解出来ないと思ったのかAも深くは聞いて来なかった。

『でも楽しかった…気がします。』

Aはぽつりと呟いた。

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炭酸(プロフ) - 剣城萌江さん» ありがとうございます(^^)こんな駄作ですが…先生をより好きになるお手伝いが出来て私は幸せです! (2017年7月8日 10時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
剣城萌江(プロフ) - 最近リア友にアルスマグナを布教され、見事に沼にハマった新米メイトです。ケント先生推しなので最初からドキドキワクワクしました!これを読んでもっと先生のことが好きになりました(*´ω`*) (2017年7月6日 16時) (レス) id: 869f1bba53 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - あさべるさん» ただいまです!ありがとうございます(^^)読みに来てください!ゆっくりではありますが、書き始めてますので、気長にお待ち下さい(^_^;) (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - アメさん» ご無沙汰してます。長らくお待たせしました(;´Д`)お気遣いありがとうございます(^^)アメさんもお気を付けて! (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - 韮さん» ただいまです!はい!のんびり楽しく頑張ります(^^) (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:炭酸 | 作成日時:2017年2月22日 0時

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