Episode.5 ページ6
飛ばされたのはおそらく異空間だ。
個人と言うよりは範囲で空間転移をする異能力なのか、探偵社員に混ざって一般の人達も沢山部屋へと飛ばされている。
「ようこそ、アンの部屋へ。」
そんな声がしたのでそちらを向くと、先程潤一郎が手を伸ばしていたフィッツジェラルドの部下の女の子がいた。
ベラベラと1人で話す彼女の言葉は全く頭に入ってこない。キレた潤一郎が「ナオミは何処だ」と人1人殺せそうな目をしながら彼女に聞いた。
すると、
「あらご免なさい、その説明が最初よね。
探偵社の皆さんはあちらよ。」
そう言って彼女はひとつの扉を指さした。するとその中では賢治くんとナオミちゃん、その他にも何人もの人が玩具の大きな手に掴まれて閉じ込められている。
潤一郎が扉に近づきドアノブを回すも開かない。開けるのには鍵が必要だと彼女は言う。
もう1つ、扉があった。その窓からは私達が先程の渡ろうとしていた横断歩道が見える。
「あたしの名前はモンゴメリ。
ここはあたしの異能力で創った空間なの。
でも安心なさって、そのドアから誰でも出られるわ。お仲間を取り返したくなければですけど。」
そう言ってモンゴメリは私がさっきから見ていたもうひとつの扉を指さす。
「如何する心算だ。」
そんなことを聞いた潤一郎にモンゴメリが口元を歪めた。
「簡単よ、この部屋のアンと遊んでいただきたいの。
アン、いらっしゃい。」
彼女が“アン”と呼んだそれは巨大なあやつり人形にも見える化け物だった。
「アンは遊ぶのが大好きなの。少し甘えん坊だけれど可愛いのよ。」
そう説明する彼女の言葉など聞かずに次々と人々が叫びながら部屋の外へ出る。
ほどなくして異能空間に残ったのは私を含め4人。敦くん、潤一郎、私、そしてもう1人は白衣のくたびれたおっさんだ。
だらしなく伸ばしっぱなしの髪に無精髭。
そのおっさんも人を探している最中だったらしい。まあ私には関係の無い話だ。
ほどなくしてモンゴメリが鍵を出した。人が囚われてる部屋の鍵だ。
私はそれを触って鍵の凹凸を確認して覚える。その鍵はそのまま潤一郎と敦君に渡すと部屋の隅に腰掛けた。
「あら、貴方は参加しないの？」
クスクスと笑いながら私に問いかけるモンゴメリに私も軽く笑顔を作って答える。
「敦君と潤一郎が負けたら私がアンと鬼ごっこしてあげる。」
そう言うと一瞬面白くなさそうな顔をした後、敦君と潤一郎とアンの鬼ごっこがスタートした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 741人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
近藤。(プロフ) - ハコ28さん» コメントありがとうございます！面白いと言って頂けて嬉しいです！続きも頑張りますので楽しみにしていてください！ (5月4日 21時) (
レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - もるさん» コメントありがとうございます！頑張って更新しますね！！ (5月4日 21時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
ハコ28 - とても面白かったです❗続きを待ってます。 (5月4日 20時) (レス) id: 4a04534ded (このIDを非表示/違反報告)
もる(プロフ) - めちゃめちゃに面白い作品見つけちゃいました...更新頑張ってください！応援してます！ (5月3日 1時) (レス) @page29 id: 20d746374a (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - エルマさん» コメントありがとうございます…！1年ぐらい更新止まってたのに待っていただいてありがとうございました！たくさん更新したので是非楽しんでください！これからもよろしくお願いします！ (2023年4月25日 18時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：近藤。
| 作成日時：2019年6月18日 19時
