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とりあえず手分けして追い込もうという作戦を立てた私たちは、一斉にその場で別れてかけ出す。
グリムが走っていった方に先回りして捕まえられるのが1番理想的だ。
とはいえ、私はグリムと一緒にいる時間が長くない。
それ故に行動パターンまでは把握してないし、何が好きでどんな場所を好むかまでは分かっていない。
とにかく動かないと、と走り出してまもなくだった。
「___!」
外の方を見ていたせいで周りが見えていなかった私。駆け出した途端に誰かにぶつかってしまったらしい。
かなりの勢いでどん、とぶつかった私は、力の反動で大きく後ろによろめく。
やばい転ぶ、ケガしないような受身を、と必死に考えたが、どうやらそれは杞憂だったらしい。
気付けば、がっちりとした頼りがいのある腕に体を支えられていたのだ。
うわ、すごいこの人。男の人だ。
もしかして私がぶつかったのはこの人の胸部だろうか。結構固くて、モロにぶつかった鼻が未だにじんじんする。
一瞬の出来事に私はフリーズしたが、本来の目的をハッと思い出し、慌てて彼から離れた。
「すみません、周りを見ていなくて!
お怪我はありませんか?大丈夫です?」
「…あぁ、俺は別になんとも__」
「そうですか!
すみません私急いでまして!本当にすみませんでした、失礼します!!!」
「あ、おい!!」
制止の声がかかったのを、申し訳ないが無視させて頂く。
重みのある声が鼓膜をふるわせたけれど、私はそんなことに構っていられない。
………が、しかしこの時にしっかり彼の呼び掛けに応じればよかったと後々後悔することになるのだが。
私の後ろで、彼が不機嫌そうに眉間に皺を寄せ、耳をピクピクと動かしていたことなど私には知る由もなかったのだ。
___
「やだやだー!つまんない授業は嫌なんだゾー!」
「駄々っ子か君は!
入学早々授業から逃げ出す学生なんてとんでもないやつこの上ないよ。
大魔道士になるんじゃなかったの?なれやしないよそのまんまじゃ」
「くそー!オマエ、なんか今日厳しいんだゾー!」
私がエースとデュースの姿を見つけて駆け寄った時には、既にグリムはエースの手の中。
じたばたと暴れ回るグリムに一喝した私は、はぁとため息を吐く。
なだめるようにぽんぽんと撫でていればグリムの駄々こねは収まっていた。
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星猫 - トランスフォーマープライムは知ってます? (2020年10月9日 18時) (レス) id: dba8a79b51 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - Hiyoriusui1211さん» うわ!気付きませんでした!ご指摘ありがとうございます! (2020年9月20日 11時) (レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
Hiyoriusui1211(プロフ) - いつも読んでいます!リリア様の名前のところがヴァンジュールになっていますよ! (2020年9月20日 8時) (レス) id: 83274ca187 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - はるかさん» ありがとうございます!すごく励みになります…!!とにかくめちゃくちゃ嬉しいです(語彙力)、夢主を褒められるとこんなにも嬉しいものなんですね…!これからもよろしくお願いします!!頑張ります!! (2020年9月17日 23時) (レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - はじめまして!コメント失礼します。すごいおもしろくて、大大大好きです!夢主ちゃん推しになりそうなくらいかわいい‥‥更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年9月17日 21時) (レス) id: 345af002c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひかり | 作成日時:2020年9月10日 21時