君の心を奪いたい。【あんスタ】

give me your hart! ページ17

仕事がオフの日。気分転換にと思ってES内のショッピングモールでふらふらしていたら、茨くんと零くんに出くわした。


零くんは私服、茨くんは制服。珍しい組み合わせに私は思わず立ち止まる。





｢おや、A殿！！本日もお美しい！！仕事場以外でもA殿に会えた自分は幸福者ですな！！｣


｢Aかえ、久しいのう｣


｢うんあの、茨くんいちいち敬礼しなくて大丈夫だよ。
あと零おじいちゃん、私たち昨日会ったでしょ｣




そうじゃったっけ？と首を傾げる零くんはもしかしたら本当におじいちゃんになってきてるんじゃなかろうか。昨日会ったよ普通に。UNDEADのレッスン日だったじゃん。





｢珍しい組み合わせだね、2人でお出かけ？｣


｢いえ！たまたまここでお会いしまして！A殿は何を？｣


｢私は適当に買い物。服とか欲しくてね、いいお店無いかなってぶらついてた｣


｢服ですか！さぞがしA殿はどんな服を着ても様になるんでしょう！

ちなみにですが向こうの方にある新しい服屋には足をお運びになられましたか？｣


｢え？また新しくできたの？｣


｢ええ！なんでもA殿の世代向けの店だそうで！良ければご案内致しましょう！｣


｢え、あ、いいの？じゃあ、｣


｢これこれ、まあちょっと待てA｣





エスコートするかのように手を差し出した茨くんの手を取りかけた時。私の手を彼よりも先に零くんが握る。


見上げた彼の笑顔はなんだか黒いものだった。




｢まったく、少し見ていれば流れるようにAを誘いおって…気が気でないわい

Aが行くのならば我輩もお供しようぞ｣


｢おや、よろしいのですか？貴方も何か買い求めにここに来たんじゃないんです？｣


｢そんなことより今にも変な虫がつきそうなAの方が優先じゃ

それに我輩はAと付き合いが長い方じゃからのぅ、Aに似合う服を見繕ってやろうぞ｣


｢それならば自分も服を見繕う点に関しては得意ですのでご心配なく！A殿をより素敵にしますので！｣


｢いらん世話じゃよそんなもの｣


｢ちょっと君ら落ち着きなよ…何意味のわからないことを言い合ってるのさ｣




バチバチと火花を散らす2人を宥める。何をそんなに言い合ってるのかよく分かんないけどさ、私を挟んでのそれは辞めてもらっていいかな？？？

あと服に関してはちゃんと自分で見るからいいよ別に…


＿＿＿

(これはA殿に近づくチャンスでは…！)

(よく分からん虫を付けおって…)

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