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「今ここでこの赤ちゃんを渡したところで、この子がこの先無惨に何か危害を加えるかもしれない」
そんなの嫌だよね、と私はにっこり笑う。
キラリとしのぶさんの日輪刀が月光を反射した時だった。
「教祖様!」
男女が2人、こちらに向かって走ってくる。
夫婦だろうか、その2人は決して裕福とは言い難いような格好で必死に走っていた。
「あ、赤子を…!息子を、受け取りに来たんです!
人にお聞きしたら、教祖様が預かっていらっしゃると伺って…!」
泣きながら言う女の姿に、私は何となく察しがついた。
きっとこの夫婦は、今私が抱いている赤ちゃんの親なのだろう。
童磨の所に預けたは良いけど、やはり駄目だと受け取りに来たのだ。
_____なんて、身勝手な大人。
「赤ちゃんなら、私が抱いておりますが」
私の口から飛び出た声は、自分でもびっくりするほど冷たかった。驚いたように目を見開く夫婦に近づきながら、私は淡々と語る。
「家の事情だか何だか知りませんけれど、子供を見捨てるというのは、親としてどうなんでしょうね」
「そ、れは」
「ああ可哀想に。
この子は1度己を捨てた親に育てられるんですね
でも、やはりダメだと思って子供を受け取りに来た事だけは褒めてあげましょうか
…子にとって親は心の在処だ、分かったら二度と子供を捨てるような真似はしないと約束してください」
泣きわめいて頭を下げる夫婦を一瞥して、私は早く帰れと帰宅を促す。
何だかあの夫婦を見ていると虫唾が走ってならなかった。
嫌な気持ちを振り払うように、私は刀に手をかけて勢いよく鞘から抜き取る。
私の行動を見て、少しだけ童磨の顔が強ばった。
「さて、私も両手が空いたことだし」
君の相手をしてあげるよ、童磨?
「あらあら、Aさんと倒せるだなんて、俄然やる気が出ちゃいます」
心底楽しそうな笑い声が私たちから零れる。
その後、朝日が登って彼が姿をくらませるまで、私たちは嫌という程彼を追いかけ続けた。
傍から見れば多分狂気じみた光景だったと思う。まあ誰も見てなかったけどな。
尚、誤解したままの宇髄さんと煉獄さんの誤解を解くのに1週間という時間を要した。さてはあの2人私の事信じてねぇだろ。
_____
(誰だAを穢した奴)
(ただならんな、容赦なく天罰を下す)
気を取り乱しすぎて全くAの話が耳に入って無かった2人。
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Nami - 冨岡さんに嫉妬する他の鬼滅メンバー面白かったです♪冨岡さん好きだぁぁ♥ (2022年11月4日 11時) (レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
もろん - 最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です(言い過ぎてごめんなさい) (2021年6月11日 17時) (レス) id: 2c8540451a (このIDを非表示/違反報告)
マロ(プロフ) - ひかりさん» 夢主ちゃん…君少し贅沢過ぎては…羨ましい!!! あんな素敵な声で囁かれたら気絶しちゃいますよ!? あぁ……好き… (2020年4月4日 1時) (レス) id: d8cf0d1c15 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - マロさん» 無惨と結婚したらあのいい声で囁かれていい顔を毎日拝めるんですよね……至高の幸せですよね………… (2020年4月4日 0時) (レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
マロ(プロフ) - 無惨と結婚!? やだ…切実にお願いしたいです……無惨の笑みとか絶対素敵じゃないですか… (2020年4月2日 23時) (レス) id: d8cf0d1c15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひかり | 作成日時:2020年3月28日 10時