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「わ、悪ィ……」
そっと不死川がAを撫でる。Aを気遣うような視線が彼女に向けられ、彼女は涙を流した。
「謝るのはこっちです、私が実弥さんにもたれかかったから」
「それ言ったら俺の方が悪ぃだろうが、お前の組紐取って遊んでたのは俺だしなァ…」
零れ落ちる涙を優しい手つきで不死川が拭う。
何度も『悪かった』、『すまない』と謝るその姿は彼らしくない。先程彼女が言い放った『お嫁に行けない』という言葉が相当突き刺さっているようである。
舌打ちをした伊黒がネチりだした。
「恋仲でも夫婦でもないというのに接吻などありえん、というかAの口を吸うなど__」
「大丈夫かしらAちゃん…」
「婚前の娘が接吻…………」
責める言葉、視線に耐えきれなくなったのか、不死川が意を決して立ち上がる。
「婚前のお前に接吻したこと申し訳ないと思ってる、だから___」
不死川が生唾を呑む音が聞こえた。
立ち上がってAの近くに行き、彼女と目を合わせるように膝をつく不死川が何を言うのか。
全員が見ている中、不死川は大胆な行動に出る。
「責任を持って、お前と結婚する」
「………はぁ!!!?」
不死川、人生で2度目の求婚。
(夢に溺れる 番外編『鏡事件』参照)
想像の斜め上の上をいった彼の発言に全員が反論する。言われた当の本人であるAも、何がどうしてそうなったという顔で不死川を見つめる。
「何故そうなった」
「やめろAは結婚なんてしない!」
「不死川さん大胆!でもキュンキュンしないわ」
「ふふ、ふふふふ……」
「(Aが誰かと結婚するなど…ありえ)ないな」
「駄目だよ不死川さん、Aはずっと僕と一緒にいるって約束したんだから」
壊れだした6人。大ブーイングを気にすることなく、不死川はAに手を差し出す。
数秒それを見つめた後、そっと手を重ねた。
「不束者ですが…よろしくお願いします」
「あァ、俺もこんな形で悪ぃ」
「無惨に狙われてて大変だと思うんですが…」
「心配すんなァ、守ってやる」
そこまで進んでからは早かった。
素早く炭治郎が2人に頭突きをくわらせ、しのぶが何やら双方に怪しい薬を飲ませる。そのまま隠に運ばれていった2人。
「…何をした」
「ふふ、素敵なお薬を少し」
眩しい笑顔で言い放つしのぶ。
次に2人が目覚めた時、綺麗に今回の出来事を忘れていた。
Aの事となると容赦ないしのぶである。
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Nami - 冨岡さんに嫉妬する他の鬼滅メンバー面白かったです♪冨岡さん好きだぁぁ♥ (2022年11月4日 11時) (レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
もろん - 最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です(言い過ぎてごめんなさい) (2021年6月11日 17時) (レス) id: 2c8540451a (このIDを非表示/違反報告)
マロ(プロフ) - ひかりさん» 夢主ちゃん…君少し贅沢過ぎては…羨ましい!!! あんな素敵な声で囁かれたら気絶しちゃいますよ!? あぁ……好き… (2020年4月4日 1時) (レス) id: d8cf0d1c15 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - マロさん» 無惨と結婚したらあのいい声で囁かれていい顔を毎日拝めるんですよね……至高の幸せですよね………… (2020年4月4日 0時) (レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
マロ(プロフ) - 無惨と結婚!? やだ…切実にお願いしたいです……無惨の笑みとか絶対素敵じゃないですか… (2020年4月2日 23時) (レス) id: d8cf0d1c15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひかり | 作成日時:2020年3月28日 10時