そのまま、俺に。 ページ28
「ん〜〜…!」
なんかお腹すいたね〜ときよちゃんと話していたら(きよちゃんは分かってくれなかった)、偶然通り縋った炭治郎が私を連れて自分の部屋に連れていってくれた。
どうやらおにぎりを作っていたらしい。
桶にはあまりお米は残っていなくて、誰か食べたんだなと察した。
「さっきまで善逸と伊之助たちがここでおにぎり食べてたんだ」
「やっぱり?なんかごめんね、作らせちゃって」
「気にするな!俺も今から食べようとしていたところだしな!
だからそんな顔しないでくれ、俺はAの笑った顔が好きなんだ」
眉尻を下げながら言う炭治郎の破壊力といったらとんでもない。ほんとこの人顔面偏差値おかしい。
「どうだ?美味しいか?」
「うん、美味しい!
私今まで食べてきたおにぎりの中で炭治郎が作るのが一番すきかな」
なんて言うの、お米の炊き具合とか塩加減とか。あとは食べてて『愛情込めて作ってくれたんだな』っていうのがわかる味。
食べてて幸せな気分にさせるおにぎりだと思う。炭治郎の手にかかればこんな小さい三角形に握られた米の塊も美味しくなるのか…(宇宙)
「…義勇さんのと、どっちがすき?」
「…ん?」
「義勇さんが作った鮭大根と、俺が作ったおにぎり。どっちがすき?」
きょとんと思わず目を見開いて瞬きした。意を決したような、でも心配が残った顔でこちらを不安げに見る炭治郎。目が上目遣いになっていて可愛らしい。
確かに、私は先日訳あって義勇さんの屋敷を訪れた際に、彼お手製の鮭大根を頂いた。なんでそれを炭治郎が知ってるんだろう。義勇さんから聞いたんかな。
いろいろ不思議な点が多くて黙っていた私。
沈黙に耐えられなかったのか、気まずそうに炭治郎が口を開いた。
「その…この前道端で、義勇さんが作った鮭大根が美味しかったってAが褒めてるのを聞いて…
俺じゃない誰かの手作りの料理を食べて、美味しいって思ったのが…なんかこう、もやっとして…嫉妬、したんだと思う」
見苦しいよな、俺。
そうつけ加えて辛そうに笑う炭治郎に胸がツキンと痛む。おにぎりを持ってな方の手を伸ばして、炭治郎の頭をそっと撫でた。
「見苦しくなんてないよ
私も自分の友達が誰かの料理食べて美味しい!って言ってたら私だって出来るのに!ってなるから。
誰にだってあることだし大丈夫」
「そう、か?」
「そう、だから大丈夫!!ちゃんと炭治郎のおにぎり美味しいし大好きだからね!」
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Nami - 冨岡さんに嫉妬する他の鬼滅メンバー面白かったです♪冨岡さん好きだぁぁ♥ (2022年11月4日 11時) (レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
もろん - 最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です(言い過ぎてごめんなさい) (2021年6月11日 17時) (レス) id: 2c8540451a (このIDを非表示/違反報告)
マロ(プロフ) - ひかりさん» 夢主ちゃん…君少し贅沢過ぎては…羨ましい!!! あんな素敵な声で囁かれたら気絶しちゃいますよ!? あぁ……好き… (2020年4月4日 1時) (レス) id: d8cf0d1c15 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - マロさん» 無惨と結婚したらあのいい声で囁かれていい顔を毎日拝めるんですよね……至高の幸せですよね………… (2020年4月4日 0時) (レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
マロ(プロフ) - 無惨と結婚!? やだ…切実にお願いしたいです……無惨の笑みとか絶対素敵じゃないですか… (2020年4月2日 23時) (レス) id: d8cf0d1c15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひかり | 作成日時:2020年3月28日 10時