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村人に襲いかかる鬼をズバァと斬りつけた少女は紛れもないAだった、のだが。
「(…なんか匂いが、変わった?)」
ぞわりと鳥肌が立つ感覚が俺を襲う。
なんと言うか、人間じゃないような得体の知れない匂いを纏わせている。
「__炭治郎!善!」
「「!」」
唖然としてAを見ていた俺たちの手が止まっていた事を指摘したA。ぞわりとまた鳥肌が立つ。
なんで、なんで俺たちの様子がわかった?Aは俺たちに背中を向けているのに。
四方八方から襲いかかる鬼の攻撃を1度も喰らうことなく刀を振るうAに、謎の動悸が高まる。
あれじゃまるで、自分を取り囲む全てが見えているような___
「__最後の一体、お覚悟!!」
Aのその声と共に、最後の一体が血飛沫をあげて倒れた。
__
_
「待たせたね、ごめん」
返り血で真っ赤に染まったAが明るく笑いながら走りよってきた。
先程まで鬼を斬り倒していた少女とは思えない。
あの時感じた違和感も、不思議な匂いもしなくなっていた。
「Aちゃん何してきたの?」
「え?村人に説教」
「…え?」
俺の予測通り、Aは神社にいた所を村人に勘違いされ、密室に閉じ込められていたのだという。
「あの人たち駄目だよ、ほんと。
神の愛子がいる村の住人だからって、自分たちが選ばれし人間だって勘違いして、神を過信しすぎてた。
神から自立しろって叱ってきた」
「神から自立」
聞いたことない言葉に思わず目が点になるになったが、清々した!と明るく言い放った彼女の顔は晴れやかだ。
「でもなんでわざわざ神社に?」
「神力を鍛えあげようかと思って!今のところ使える術はひとつしか無かったし、もったいないなって」
「そんなことなら一言くらい言ってくれれば良かったのに!」
「誰も近くにいなかったから、行く途中で手紙を伊之助に頼んだんだけど…その様子じゃ見てないね」
やっぱ相手を間違えたかぁと夜空を見上げるA。
その顔がなんだか儚げで、俺の傍から離れて遠くに行ってしまいそうで___
「………どこにも、行かないでくれよ」
寂しかったんだ、と言って彼女の手を握る。驚いた顔をしたAだったけれど、直ぐに柔らかな笑みを浮かべて握り返してくれた。
その後、蝶屋敷に帰ってきた俺らの姿を見てしのぶさんが泣き崩れ、彼女が飛ばした鴉がAの無事を伝えた事で大勢が押し寄せた。
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Nami - 冨岡さんに嫉妬する他の鬼滅メンバー面白かったです♪冨岡さん好きだぁぁ♥ (2022年11月4日 11時) (レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
もろん - 最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です最高です(言い過ぎてごめんなさい) (2021年6月11日 17時) (レス) id: 2c8540451a (このIDを非表示/違反報告)
マロ(プロフ) - ひかりさん» 夢主ちゃん…君少し贅沢過ぎては…羨ましい!!! あんな素敵な声で囁かれたら気絶しちゃいますよ!? あぁ……好き… (2020年4月4日 1時) (レス) id: d8cf0d1c15 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - マロさん» 無惨と結婚したらあのいい声で囁かれていい顔を毎日拝めるんですよね……至高の幸せですよね………… (2020年4月4日 0時) (レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
マロ(プロフ) - 無惨と結婚!? やだ…切実にお願いしたいです……無惨の笑みとか絶対素敵じゃないですか… (2020年4月2日 23時) (レス) id: d8cf0d1c15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひかり | 作成日時:2020年3月28日 10時