【鬼滅の刃】夢に惹かれる【愛され】

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｢現在A様は別室にて体内のお清め中です

不死川玄弥様は終了して、別室でお眠り頂いております｣


｢お清め？｣


｢A様は鬼に、玄弥様は鬼化の能力がございましたから。

A様は特に、これからのために身を清める必要があるのです(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)


板に体を貼り付け、身体中に短刀を刺して鬼舞辻無惨の血を抜いております｣







一番最後の一言に、全員がひっと息を呑む。


おそらくご覧にならない方が良いかと…と俯いて告げる狐面の者の言い分から察するに、彼女の容態はかなり惨いものであるのだろう。




そんなことをしたらAの命が危ないじゃないか、と俺が睨みつけると、ご心配なく、と平坦な声で狐面が付け加える。







｢そう恐れなくとも、彼女は死ぬことはありません。

通常の人間ならば死んでいて当然ですが、彼女はそうではありませんので｣


｢…どういうこと、それは？｣


｢ええ、そう急かさないでください

A様の体を清めているこの時間を使って全てを説明しろと、A様から直々に仰せつかっております故、順を追って説明致します｣




ちりん、とどこからか鈴の音が鳴った気がした。





＿＿＿
＿




｢まず前提として…

A様は極めて稀な人間であり、生まれつき神様から御加護をつけられておりました。

神からの御加護がついている人間は選ばれし人間であり、神からのお告げや少数の術など、通常の人間では到底しうることの出来ない業をなす事が可能です｣








俺を含めた大勢が、そこまでは知っている、と頷く。



出会った頃からずっと、彼女は普通の人とはどこか違う匂いをしていたし、実際に彼女が目の前で術を使うのを見たことがある。

彼女はその特異能力＿＿神気が込められた“神力”なるものを応用して、呼吸の型として使っていた。それこそ、俺のヒノカミ神楽のように。




｢神からの御加護を受けた人間は基本的に恵まれた生活を送り、幸福に育ちます。

そしてお告げを聞いては人々に教えを説き、特にそれ以上特質なことを体験しないまま息を引き取るのが一般的です｣


｢しかしA様はそうではなかった｣






家族は冷たい、人との関わりが一切ない。


それ故に心の落ち着く場所、すなわち『居場所』が無く、自分の意見も思うように言えず、孤独に生きてきた。

そして家族が鬼に襲われる。鬼舞辻無惨に気に入られ、求婚される。


要するに、何が言いたいのか。

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