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「すまない、待たせてしまった___お前は今から私の妻だ。
どの鬼よりも、人間よりも素晴らしい、大切な存在であるお前に数字を刻んでやろう」
す、と無惨の手が彼女の両目を覆うように被せられる。数秒と待たずに、彼女の目には数字が刻まれた。
満足そうに微笑んだ無惨は彼女を離す。
放心気味にAを呼んだ輝哉に反応して、彼女は振り向く。
あまねは息を呑んだ。ただならぬ気配に輝哉は口を噤む。
たった今、振り返る瞬間に彼女は服装が変わった。
巫女服によく似た正装ではなく、西洋の結婚式で身に纏う衣服___純白のウエディングドレス姿で、彼女は振り向いた。
白いスーツを身にまとった無惨とよく合う。
いまこんな状態でなければ、ここの風景は協会で、2人の男女が永遠の愛を誓っていたのだろう。
そしてなによりあまねが驚いたのは彼女の瞳である。
かたかた震えるあまねに気がついたのか、輝哉はAがどうなったのか問いかけた。
「……衣服が、ウエディングドレス姿に…無惨と挙式でもするかのような佇まいです
………そして、彼女の目に数字が刻まれています。その数字は____」
上限の零。
それが何を意味するのか。
「………たった今、Aは私たちの目の前で、鬼になりました」
ああ、なんて不幸。神様、これはなんて不幸なのですか。
輝哉はAに尽くしてきた。
Aは輝哉に救われた。そして輝哉を慕っていた。
本来彼女は養子として迎え入れられた訳では無い。
次期当主である『輝利哉の妻』として産屋敷一族に迎え入れられた。
しかし今回それを隠したのは、2人の娘以外に子供がいることを隠すためである。だからAを養子ということにした。
信じていた、輝哉はAを信じていた。
しかし彼女は輝哉を裏切り、無惨の元へ向かい鬼となった。
恩を、仇で返したのである。
「ああ、A。お前は先に戻っていなさい、お前の部屋はすでに用意してある」
ぺこりとAが頭を下げる。
ふと顔を上げたAは、姿を消す前に、誰にも聞こえない声で呟いた。
「___死にゆく貴方に、神からの幸福を」
それから五分も満たない時間で、輝哉とあまね、2人の娘は自爆によって命を絶った。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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桜花(プロフ) - ぺーじ29の上弦が上限になってますよなおしいたほうがいいかと私が間違ってたらごめんなさい (2020年5月12日 0時) (レス) id: 28a0d4aa7b (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - お二人共コメントありがとうございます…!もうすぐで完結致します、どうか最後までお付き合い下さい! (2020年4月19日 13時) (レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
mustard(プロフ) - うわぁぁぁ夢主ちゃん死なないでぇえええ!!夢に溺れるから、ずーっと見てます!文才分けて欲しいほど面白くて、更新されたらポウッって声出して喜びます(?)ハッピーエンドを期待しております(( (2020年4月19日 4時) (レス) id: e36ed0dc7b (このIDを非表示/違反報告)
液体(プロフ) - すごく面白いです...!!続きの展開がとても気になります更新待ってます頑張って下さい! (2020年4月8日 23時) (レス) id: 5db20428bf (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - もえさん、朔弥さんコメントありがとうございます…!朔弥さんに至りましてはご指摘ありがとうございます!更新頑張りますので応援よろしくお願いします〜!! (2020年4月6日 0時) (レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひかり | 作成日時:2020年3月25日 17時