【鬼滅の刃】夢に惹かれる【愛され】

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｢腕の話、聞いたぞ。貫通したといったか｣


｢え？あ、はい…咄嗟に出した手にブスっと…

炭治郎の首を狙ってるようでしたから、まあ私の腕が貫通しただけで済んで良かったなと思ってます｣









運良く神経には一切触れずに貫通した私の腕。





あとすこしズレていたら私の左腕は一生動くことは無かったと、しのぶさんにしこたま怒られたのはまだ記憶に新しい。




しかし何故それを煉獄さんが知ってるんだ？と首を傾げた時、正面から勢いよく煉獄さんに抱きしめられた。









あの日、最後に煉獄さんと会った時の優しい抱擁なんかでは無い。ぎち、と音がするほどに力強いものだった。




無言が怖い。普段が賑やかで明るい人がこうも静かだと異様だというか、なんと言うか。得体の知れない恐怖が私を襲う。







｢＿＿＿自分の体を大切にするようにと、あの日言ったはずだが？｣


｢…っ、｣




ようやく喋った彼の声は低かった。怒気を孕んだその声にぞわりと背すじが凍る。





｢無茶だけはするなと、自分の身を投げ捨てるような戦いはするなと再三手紙でも言ったはずだが…どうやら君には伝わっていなかったらしいな｣


｢っ、ごめ、ごめんなさい｣


｢いいや、許してやらない。

確かに君はまだ新人で大きな戦いに慣れていないかもしれん、場馴れしていないのは確かだが…

自分の身を大切にすることくらいは、分かるのでは無いのか？

自分が周りの人にとってどれほど大きな存在かを考えたことがあるか？君がこの世から居なくなってしまったら大勢の人が悲しみ嘆くんだぞ｣




そっと私を離し、目を合わせるように煉獄さんは私に訴えかける。





｢そ、そんな…確かに、私は知り合いが多いですけど｣


｢仮に、自分の友達がある人を庇って死んでしまったら悲しいだろう？｣


｢…｣


｢それと同じだ、俺もAが死んでしまっては悲しい。きっと連日枕を濡らすであろうな

いいか、君は大勢の人の人の心に住みついて、大きな存在となっている。それを自覚するべきだ、君は必要な存在なんだぞ｣



分かったら十分に反省しなさい、と再び抱き寄せる手は優しい。面と向かってされたお説教に、自分の無責任さを思い知って涙があふれた。





｢…よもや、泣いているのか？｣


｢ないてますすみません！！｣


｢…ふふ、分かればよし！！よしよし、俺が涙を拭ってやろう！｣




怒られて稽古ではしばかれてで大変だったけれど、彼のおかげで大事なことを知れた。

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